スポーツ

2009年11月 6日 (金)

松井選手MVP獲得

ニューヨーク・ヤンキースがワールドシリーズで優勝し、松井秀喜選手が最優秀選手(MVP)に選ばれた。第6戦で先制ホームランを放つなど1試合6打点の大活躍を見せ、9年ぶりとなるヤンキースのワールドシリーズ制覇に大きく貢献した。

数年前までよくメジャーリーグの中継を見たりしたが、最近は全く見ていない。イチローの活躍も松井の活躍もほとんどスポーツニュースで知るばかり。第6戦で決まりそうだというスポーツニュースの情報に、久々のヤンキース優勝だなあとしか認識していなかった。

今朝の新聞(朝日新聞2009年11月6日付)を見て、「松井 悲願の頂点 MVP獲得 素振り重ね復調」の見出しがまず飛び込んできた。え、松井がMVPを取ったのか。それはすごい。どれどれと記事を読んで何ヶ所か頷くところがあった。

 順風満帆だった巨人時代とは違い、ここ数年は苦難の日々。06年5月には左手首を骨折。07年オフに右ひざ、昨オフには左ひざを手術した。

そうだ、松井選手はケガや故障に苦しんだよなあ。特に左手首を骨折した守備のシーンは何度も映像が流され、相当痛かっただろうなと見ているこちらのほうがつらくなるほどだった。

 尊敬する長嶋茂雄・巨人元監督の教えは守り続けた。一心不乱にバットを振ることが、復調への糸口と信じて疑わなかった。「素振りにこそ打撃のすべてが凝縮されている」。体のそれぞれの部分の使い方を丹念にチェックした。

基本を繰り返すことがいかに大事なことか。不調の時も無心に素振りを繰り返し、好調の時にも一心に振り続ける。おそらく松井選手にアドバイスした長嶋元監督自身も素振りを続けた人なのだろう。素振りを重ねることで、自分の打撃フォームを確固としたものにし、どういう場面でも自分のバッティングができる状態をつくっていく。プロの選手だから当たり前だと言ってしまえばそうかもしれないが、つくづく基本を重ねていくことが大切さだと感じる。

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2009年10月16日 (金)

やっとアルゼンチンが…

サッカーネタはしばらくやめておこうと思ったのだが、W坏の南米予選でやっとアルゼンチンが本大会出場を決めたので書かずにはいられなくなった。

まあ、それにしても最終節まで出場枠に入れるかどうかウロウロしているとは、一体どうしたことなのか。やはりマラドーナの監督っていうのが無理があるような気が…。選手として天才的であったとしても監督となるとまた別だからなあ。本来ならブラジルと南米予選の1位2位を争うくらいの力を持っているはずなのに、それがこの状態だと本大会が始まる前にマラドーナ解任ということはないのかと思ってしまう。

ベロンが代表の中盤でがんばっている。それはそれでいいことなのだが、あれ、リケルメは?アイマールは?特にリケルメは去年まではアルゼンチン代表の司令塔だったはずなのに、マラドーナとの確執から代表をはずれたままだ。9月の頃には、リケルメの代表復帰が監督続行の条件かと言われたこともあったようだが、戻る気配はない。

マラドーナはメッシやアグエロといった新しい世代を中心としたチームを考えているのだろうか。リケルメのようなゲームメイカーが試合の流れをコントロールするスタイルを捨ててしまおうとするのか。確かになあ、あのブラジルでさえドゥンガが目指しているサッカーはファンタジスタのいないサッカーだもんな。ファンタジスタがゲームをコントロールするのは、いまや世界のサッカーの主流ではないからねえ。

ただ、それだけに一層、古き良き時代のサッカーを感じさせるリケルメのプレーをアルゼンチン代表で見せるというのも貴重なんじゃないかと思う。本大会で勝ち上がれないかもしれないが、アルゼンチンはこういうサッカーを見せますという方針を貫けばいいんじゃないのか。

ベロンが、「選手という点ではわれわれには最良の選手が何人かいる。しかし、われわれは”チーム”ではない」と監督や協会批判ととれる発言をウルグアイ戦後にしているようだ。チームとしての一体感がないんだろうな。マラドーナが監督を続行するにしろ、辞めるにしろチームとして戦える形にしないとまずいのではないか。

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2009年10月 6日 (火)

困っていること・まとめ

とうとうサッカーのネタで一週間通してしまった。明日から普通のネタに戻れるのか「困っている」。

なぜこれほどサッカーにハマってしまうのか。おそらくそのシンプルさと奥行きの深さゆえではないかと思う。野球のルールブックは本当に「ブック」だと思うが、サッカーのルールはシンプルだ。試合が始まってしまえば監督の指示はほとんど用をなさない。これが野球と大きく違う点だ。選手自身が試合の流れの中で判断し、自ら選択していかなければならない。監督は選手交代という形でしか意図を伝えられない。

ボール1個あればゲームができる点も大きな違いだ。世界のどこでもサッカーは人気があるが、野球はそうではない。野球をするにはどうしても道具が必要だ。サッカーはボールが1個あれば裸足でもできる。場所も選ばない。路地裏であろうが草原だろうが、砂漠のなかであろうと関係なく遊ぶことができる。

サッカーにはその地域の文化が色濃く反映する。サッカーに求めるものがそれぞれの地域で異なるからだ。勝利を求めているのはどこでも同じだろうが、スペクタクルな試合展開で勝たなければ意味がないと思うところもあれば、守備的にしっかり守ってカウンター攻撃で得点するのが理想的だと見るところもある。楽しくなければサッカーでないと思う人びとがいれば、何が何でも勝つことが一番だと思う人びともいる。

だから、たとえばヨーロッパや南米でサッカーが生活の一部であるという感覚はその通りなのだろうと思う。トップリーグのチームでなくても地元にサッカーチームがあって週末には身近なところで試合があり、サポーターとして出かけて応援する。トップリーグもそれぞれの地域と密接な関係と歴史を持っている。

スペインリーグを見ていると特にそれを強く感じる。レアル・マドリードとその対極のFCバルセロナもそうだが、スペインのチームは地域の歴史と固く結びついている。北部のバスク地方にアスレチック・ビルバオというチームがある。このチームにはバスク人選手しかいない。外国人選手どころか、スペインの他の地域の選手すらとらない。それでいて一度も1部リーグから降格したことがないというから大したものである。FCバルセロナのファンであるバルセロニスタたちは、スペイン内戦時代からの反マドリード意識が強い。自分たちはスペイン人ではなくカタロニア人であるという意識の人たちもいるようだ。

FCバルセロナのあり方はある意味で極端なのかもしれないが、地域とサッカーが密接に結びつき不可分であるところが面白いと思う。たかがスポーツ、たかがサッカーではないのである。代表チームの闘いも国と国のサッカー文化の闘いみたいなところがある。サッカーを見ていると、そんなふうに単にスポーツとしてのサッカーではなく、文化や歴史の媒体としてのサッカーを考えさせられてしまう。Jリーグが「百年構想」を打ち出しているのは正解だと思う。そのくらいの時間が経って初めて日本人の生活にサッカーが定着するかどうかが分かるのだろう。

そういう文化や歴史まで知りたくなってくるので、サッカーを見ることはやめられないのかもしれない。それにしても1週間好きなことを書き継いできたので、個人的にはスッキリした気分である。サッカーについてこれくらいまとまって書けるとは思っていなかったが、好きなものはしょうがない。さて明日から何を書こうか。

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2009年10月 5日 (月)

困っていること・その6

そもそも何が「困っていること」だったか忘れてしまうほどで「困っている」が、このまま勢いで明日まで一週間「サッカーブログ」となるのでご了承のほどを。

というわけで、好きなサッカー選手のタイプをこれまで述べてきたが、最後にちょっと変わったタイプを挙げておきたい。それは、いかにも悪そうな見た目の選手である。あくまでも「見た目」の話なので、本当に「悪い」わけではないので誤解なく。

サッカー選手は貴公子のような気品のある選手から、裏通りのチンピラみたいな雰囲気のガラの悪そうな選手まで実に幅広い人間が集まっている。その「ガラの悪そうな」雰囲気の選手が、実は大好きである。たぶん「悪童」とか「悪ガキ」と言われていたのではないかと思われるような風貌とプレースタイルの選手を見ると、「よっ、待ってました」と声をかけて応援したくなる。

具体的に名前を出すと、ファンの方には申し訳ないが、現在FCバルセロナの右サイドバックのダニエウ・アウベスがそうだ。セビージャ(セビリア)時代からそのプレーには注目していた。「不敵な面構え」という言葉があるが、まさにこの言葉にピッタリの選手である。もちろん実際の試合でも闘争心むき出しで、相手選手にくってかかったり審判に猛抗議したりする姿をよく見かける。それだけ熱くなるタイプでもある。したがってプレーにはムラがある。調子がいいときと気分が乗らないときでは雲泥の差がある。にもかかわらず、何かやってくれそうな雰囲気を持っている選手だし、実際にとんでもないことをやってくれる。つまり見ていて「飽きない」選手である。

引退してしまったが、スペインリーグのマラガやセビージャに在籍していたダリオ・シルバというウルグアイ代表のフォワードも忘れられない。接触プレーのときに相手選手を激しく罵倒する姿はコミカルですらあった。このダリオ・シルバもダニエウ・アウベス同様、不敵な面構えをしている。軽く接触しただけなのに派手に転げ回り、審判が流すとケロッとして立ち上がったりするところを見ると、「うーむ、やるなあ」と妙なところで感心してしまった。

決してサッカー少年たちの良いお手本としては薦められない選手たちであるが、どうも憎めない。なんというか、この「鉄火な感じ」がたまらない。プレミア・リーグのマンチェスター・ユナイテッドに所属するウェイン・ルーニーはすっかり「大人」になってしまったが、エバートン時代の「悪ガキ」風の雰囲気の頃はよかった。あのままで続けていくのはイングランドでは難しいのだろう。

喧嘩っ早い江戸っ子みたいな威勢の良さを感じさせてくれる選手たち、とでもなるのだろうか。こういう選手がいろいろなところに必ず見つかるのでサッカーを見るのはやめられない。中学生のサッカー部の生徒たちを見ていても面白い。実にさまざまな個性が集まっている。成績優秀で真面目なタイプの生徒も、見るからにガラが悪そうなタイプの生徒も、どちらも塾生として在籍していたことがある。一見正反対なタイプの子どもたちが同じチームで仲のいい選手同士だったりするから、分からないものだと思う。

今季のスペインリーグはFCバルセロナとレアル・マドリードが独走しそうな雰囲気がある。この二強が対決する「クラシコ」で、FCバルセロナのダニエウ・アウベスがどんな活躍を見せてくれるか、これまた今から楽しみでワクワクする。ふてぶてしくしぶとく存分に本領を発揮してほしいものだと思っている。

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2009年10月 4日 (日)

困っていること・その5

体育の日も近いので、このままサッカーブログ化したまま話題を続けます。サッカーに興味がない方はお時間の無駄になりますので、早々に他へ回られた方がよろしいかと思います。

さて、きのうに続き好きなサッカー選手のタイプということだが、三つめはいわゆる「司令塔」タイプのゲームメイクできる攻撃的中盤の選手である。このポジションの代表は言わずと知れたジダンであろう。しかし、ジダンは別格で神様のようなものだから私ごときが語るまでもなくすでに多くの人に語り尽くされていると思う。ACミランに在籍しているロナウジーニョもそうである。

そこで、サッカーファン以外にはあまり知られていないだろうと思われる二人を取り上げたい。一人はイングランド、プレミア・リーグのアーセナルに所属するトマス・ロシツキーである。昨シーズンはケガに泣き、プレミア・リーグではほとんど試合に出ていないが、現在のチェコ代表の中心選手である。

ロシツキーを最初に見たのはドイツのブンデス・リーガで、ドルトムントにいた頃だ。同じチェコ代表の長身フォワード、ヤン・コレルとのコンビでゴールを量産していた。パスを出すタイミングとそのセンス、ドリブルやミドルレンジからのシュートなど明らかに非凡なものがあった。しかし、少し華奢な感じだった。相手チームからのマークがきつく、当たりの強いブンデス・リーガではガンガン削られていた。これは体がもたないんじゃないか、と心配していた通りドイツ時代もケガでシーズン中の長い期間を棒に振っている。

アーセナルに移籍する前、スペインのアトレティコ・マドリードに移るのではないかという噂が流れたことがあり、そうなればいいのにと期待していた。ロシツキーのようなタイプはリーガ・エスパニョーラのように中盤の削り合いがきつくないリーグの方が向くのではないかと思ったからだ。だがアーセナルに移籍し、プレミア・リーグでゲームメイクにその才能を存分に発揮する。ただ、ここでもまたケガに泣かされた。ドルトムント時代からすれば体もだいぶガッシリとしてきたのだが、それでもやはり繊細な感じのする天才プレーヤーだ。今季は本格復帰らしいので活躍を期待したい。

もう一人は、現在ポルトガル・リーグのベンフィカというチームに所属しているパブロ・アイマールである。もうじき30歳になるので決して若い選手ではない。そういえばロシツキーももう28歳だ。サッカー選手は旬の時期が長くないから、見たいと思った選手はその時に見ておかないと後悔する。アイマールが輝いていたのは、バレンシアに移籍してきた20代始めの頃だった。

初めてアイマールのプレーを見たとき、なんと楽しそうにプレーしている選手だろうと感心してしまった。試合中に生き生きした笑顔を見せるのはロナウジーニョもそうだ。本当にサッカーが好きなんだろうなとこちらまで楽しくなる。

バレンシアでのアイマールは、ゴール前への決定的なパスを何本も出していた。自らゴールを決めることも多かったが、それよりもアシストの数が群を抜いていた。絶妙のタイミングで、ここしかないところへピンポイントでパスを出し、味方のゴールを引き出す。左サイドのビセンテやフォワードのミスタことミゲル・アンヘル・フェレール・マルティネス(長い!)とのコンビネーションでバレンシアの黄金期を演出していたと言える。

しかしその後、バレンシアの監督が替わり、アイマールの出番が減っていく。サッカー選手はサブに回ると、どんな選手でも次第に悪い方の循環に入ってしまう。戦術に合わないというだけで控えに回され、力を出せないままチームを去るというケースはよく見かける。アイマールにとって不運だったのは、アルゼンチン代表でもサブに回らざるをなかったことだ。アルゼンチンには同じポジションにリケルメという名手がいるため、アイマールの出番がなかった。この点もつくづく惜しまれる。

アイマールはバレンシアから同じスペインリーグのサラゴサに移籍し、そこではレギュラーを確保しバレンシア時代のひらめきを取り戻したかに見えた。今季、リーガ・エスパニョーラでアイマールの姿を見かけないのでどうしたのだろうと思っていたが、隣国ポルトガルのリーグに移籍していたとは。

ロシツキーもアイマールも天才的なプレーヤーである。二人とも音楽家でいえばモーツァルトみたいなものだ。軽やかで繊細で、見るものを楽しい気持ちにさせてくれる。きつくマークされてケガに泣いたり、十分に実力を出せなかったりするポジションだけにベストのプレーを見ることは奇跡的な瞬間となる。その期待に見合うだけの選手だからこそ目が離せない。

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2009年10月 3日 (土)

困っていること・その4

サッカーブログ化しつつあるという「困った」状態になり、本当に「困っている」のだが、毒くらわば皿までということもある。もうこうなれば、とことんサッカーの話題を書いておこう。

自分が好きなサッカー選手を思い浮かべると、いくつかのタイプに分かれる。まず、ルイス・フィーゴのようなドリブルのうまいサイドプレーヤー。メッシやC・ロナウド、マンチェスター・ユナイテッドのギグスもそうだ。

リーガ・エスパニョーラのレアル・ソシエダというバスク地方のチームで現役を終えた、ヴァレリー・カルピンという選手がいる。エストニア生まれでロシア代表を選択し、2002年の日韓共催W杯にも出場した。この人がサイドを駆け上がる姿はかっこよかった。私が見た頃は全盛期を過ぎていたはずだが、引退間際の選手というイメージではなかった。トップスピードで相手ディフェンダーを抜き去り、フォワードのコバチェビッチやニハトにクロスを上げ、何度も得点をアシストしていた。たぶん、レアル・ソシエダがリーグ優勝争いにからむという珍しいシーズンだった。

カルピンは駆け引きのうまい選手だった。相手ディフェンダーを翻弄するかのようにボールを動かしていくさまは、相手チームのサポーターには憎たらしく映っただろうなと思う。今季レアル・マドリードに移籍したシャビ・アロンソはデビューしてまもないころ、レアル・ソシエダでカルピンと一緒にプレーしていた。そのシャビ・アロンソが雑誌のインタビューで「カルピンから、ソシエダの選手はもっと『腐った牛乳』にならなきゃいけないってことを教わったよ」と答えていたのを思い出す。おとなしいソシエダの選手の中で、カルピンのきつい性格とプレー中の強引さはやはり目立つものだったのだろう。

しかし、サイドプレーヤーはそうでなければとも思う。フィーゴにしてもC・ロナウドにしてもドリブルで突破していくということを選択するということは、パスの選択を捨てて相手ディフェンダーとの勝負を選んだということを意味する。サイドプレーヤーは、そうやって勝負してなんぼというポジションではないかと思う。あまり闘志をむき出しにすることがないメッシでさえ、ドリブルで抜き去るときには勝負に出ている。そこでは自分の技術に対する信頼と失敗を恐れないタフな精神が求められる。スペイン語で『腐った牛乳』と呼ばれるような性格の悪さを、サイドプレーヤーは恐れてはいけないのだろう。

次に挙げられるのが、運動量が豊富でチームに献身的なプレーを選択する選手。たとえばFCバルセロナのプジョルであり、引退してしまったがユベントスのネドベドなどがそうだ。特にネドベドは大好きな選手だった。チェコ代表の中心選手であり、ユベントスでもネドベドの活躍ぬきに語ることは出来ないほどの貢献をしてきた。「鋼鉄のロボット」というあだ名をもらうくらい運動量が落ちない選手である。90分走り回り、仮に延長になってもまったくプレーの速度が変わらないのは驚異的だった。練習の虫で、「趣味は?」の質問に「練習」と答えたこともあったらしい。

現在のヨーロッパ代表の中では、おそらくスペインかオランダが最強だと思う。しかし、私はスペイン代表よりもチェコ代表に目が行ってしまう。もう辞任しているが、カレル・ブリュックナーという哲学者のような風貌の監督に率いられたチェコ代表は、狭いところをつなぐパスサッカーを本領としていた。そのチェコ代表の中でもネドベドは別格だった。ネドベドが出ているときと出ていないときでは、別のチームかと思うほど動きが違っていた。それだけ存在感が大きい選手だったのだと思う。とにかく90分間手を抜かず走り続け、攻撃的な中盤でありながらディフェンスにも回って相手の攻撃を未然につぶしていく。チャンスにもピンチにもネドベドが顔を出していた。

しかし、大事な大一番に出られないということも多かった。ヨーロッパのチャンピオンズリーグ決勝にユベントスが進出してACミランと対戦して敗れたとき、ネドベドは準決勝のレアル・マドリード戦のイエローカード累積で出場できなかった。ユーロ2004の準決勝でもギリシアと対戦して負傷し、途中交代した後チェコは延長戦で敗れてしまった。自ら招いた結果ではあるが、試合にのめり込んで熱くなる姿は印象的だった。

ユベントスが不正疑惑でセリエBに降格したシーズンも、他のチームへ移籍する選手が出る中、ブフォンやデル・ピエロらとともにネドベドは、「世話になったクラブに恩返しをしようと思う」と残留して男気も見せた。なんだか泣ける話だなあ。こういう浪花節的展開に弱いのですよ、私は。

またまた長くなったので、懲りずに次回もこの続き。

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2009年10月 2日 (金)

困っていること・その3

もうすでに「困っていること」の本題は終わってしまったのだが、どさくさに紛れてもう少しスペインのリーガ・エスパニョーラの話。

昨日の記事の最後に、ラウルの話を出したが、この人は本当に「スペインの至宝」だと思う。フォワードとしてゴールを決める技術の高さはもちろんだが、わざと倒されたふりをするシミュレーションのペナルティを一度も取られたことがない。ファウルを受けても立ち上がり、そのことで審判に抗議することがない。イエローカードもファウルも少ない。きわめて紳士的なプレーがその特徴だ。

レアル・マドリードは世界中から一流選手を集めて「銀河系軍団」と呼ばれるようなチームを作ってきたところだが、その中で移籍してきたスター選手以上に頑張っているラウルやグティ、カシージャスといったスペイン人選手がいい。これはFCバルセロナでもそうだ。バルセロナの攻撃の中心であるメッシはアルゼンチンの選手だが、スペイン人のシャビやメッシ、そして何と言ってもプジョルといった生え抜きの選手たちの活躍がすばらしい。

FCバルセロナのプジョルは、ラウルがレアル・マドリードの精神的支柱であるのと同じようにバルセロナの精神的な柱である。いや、もっと正確に言えばFCバルセロナの象徴である。プジョルの出ていないバルセロナの試合はもの足りない。ラウルやグティ、そしてプジョルやシャビやイニエスタといったスペイン人のプレーヤーは派手ではない。ラウルですら地味である。しかし彼らの技術の高さと、それ以上に試合で見せるひたむきさには、どんなスタープレーヤーのプレーより惹きつけられるものがある。

ひとことで言えば、「仕事熱心」ということにでもなるだろうか。ディフェンダーのプジョルは、どれほど劣勢のときでも後方から味方のプレーヤーに声をかけて鼓舞する。自らも動く。体を張って相手のフォワードの攻撃を止める。かつてレアル・マドリードにいたミチェル・サルガドもよく動くサイドバックだった。守備から攻撃までいつも全力で走り回っていた。こういうスペイン人選手の仕事を見ていると、スペインの人って情熱的という先入観しかなかったけれど、なんだか真面目な人が多いんじゃないのかと思ってしまう。

そうだ、忘れてはいけないスペイン人選手がいた。今シーズン中村俊輔が移籍した、バルセロナのエスパニョールには、このチーム一筋というベテランフォワードがいる。経験を積むため二度ほどレンタルで移籍したことはあるが、エスパニョール一筋のラウル・タムードという選手だ。リーガ・エスパニョーラのファンにはおなじみの名前だが、サッカーファンの方でも他のリーグを見ている方にはなじみがないかもしれない。まして、一般の知名度となると日本のどのくらいの方が、このラウル・タムードの名前をご存じなのだろう。

スター選手の持つ華やかな雰囲気があるわけではない。身長180センチだからスペイン人選手の中でも決して背が低くはない方だと思うのだが、なぜか小柄な印象を受ける。同じエスパニョールの、デ・ラペーニャの方が大きく見えるくらいだ。つまり「地味」である。どこにでもいそうな「普通の人」という印象を受ける。道に迷って誰か通りすがりの人にたずねなければならないとき、私なら真っ先にこの人に声をかけて呼び止めるだろうと思うような人間性を感じさせる。

実際に会ったことがあるわけではないので、本人がその印象通りかどうか分からないものの、エスパニョールというチームに対する思いをひしひしと感じさせてくれる選手である。プジョルがFCバルセロナの象徴だとすれば、タムードはエスパニョールの象徴である。中村俊輔の活躍する機会が増えてくれば、スポーツニュース等でエスパニョールというチームが紹介されることもあると思う。そのときはぜひこのベテランのフォワード、タムードをお忘れなく。

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2009年10月 1日 (木)

困っていること・その2

サッカー観戦は野球観戦と違って前半・後半の始まりでキックオフされたら目が離せない。いつゴールシーンが来るか分からないからだ。90分プラスアルファの時間の中で、さまざまなドラマが起こる。最初から最後までしっかり観ていないと、その試合の持つ「流れ」が見えてこない。

サイドプレーヤーの動きは今でも気になる。今シーズンのスペインでは、レアル・マドリードに新加入したC・ロナウドがやはり一番の注目だろう。もちろんFCバルセロナのリオネル・メッシも忘れてはいけない。まだまだ先の話だが、今年の「クラシコ」(FCバルセロナとレアル・マドリードの歴史的対戦)での一番の楽しみはこの二人のドリブラーの対決である。想像するだけで「たまらんなあ」というニンマリしてしまう。

しかし、スペインのリーガ・エスパニョーラを観ていて何が楽しいのかと言えば、華麗なパス回しである。現在のスペイン代表チームもそうだが、リーガ・エスパニョーラを特徴づけているものはこのパス回しの美しさだと思う。イングランドのプレミア・リーグやドイツのブンデス・リーガのように中盤でガンガン削り合いをやらない。もちろんプレッシャーはかけに行くのだが、格闘技かと思うような接触プレーで相手の攻撃を止める激しさは少ない。みごとなパスで相手を崩してゴールに持ち込めるかどうかが最大関心事であるようにも見える。

おそらくスペインのファンが望んでいるのも「美しく」「楽しい」サッカーなのであろう。もちろん勝たなければ話にならないが、ただ勝てばいいというのではない。守備的に引いて勝った試合をファンは喜ばない。リードしていてももっと攻撃しろとチームを鼓舞する。そういう中での試合だから、華麗なパス回しが生まれるのだろう。

現在ならFCバルセロナのパス交換が最高だと思う。かつての「銀河系軍団」(今のチームも「新銀河系軍団」と言われているようだが)だった頃のレアル・マドリードもパス交換が美しかった。パスによってボールが動いていく軌跡を追いかけていると、複雑な幾何学模様がフィールド上に描かれているように見える。人が動き、パスをつなぎ、また人が動いていく。ダイレクトのパスもあれば、ワンツーのパス交換やスルーパスもある。狭いところを針の穴を通すように絶妙のタイミングで出された一本のキラーパスが試合を決めてしまうこともある。

このパスの「流れ」が試合の「流れ」をつくり出す。だから始まったら最後まで、こちらも集中して観なければならない。ところが、である。やっと本題の「困っていること」にたどり着いた。最近、ビデオでもオンエア中でも前半20分を過ぎたあたりからいつの間にかウトウトしてしまうのである。つまらない試合だからというわけではない。今日はしっかり見ようと思っていても、途中で寝入ってしまい気がつくと後半45分でロスタイムに入ろうかという時間になっていたりする。

だから同じ試合のビデオを3、4日かけて観ないと最後まで観ることができないというバカバカしい状態になってしまった。集中力が欠けてきたなあというのは何かにつけて実感するのだが、まさかサッカーの試合を90分集中して観ることができなくなったとは情けない。

2009-2010シーズンは、上にも書いたようにレアル・マドリードにC・ロナウドやカカといったビッグネームが集まり「新銀河系軍団」と呼ばれている。ベテランのラウルやグティも健在である。とくにグティはいい。若かった頃のような粗さがなくなり、絶妙のパスを出している。シャビ・アロンソとピボーテ(いわゆる「ボランチ」の位置)を組ませたら面白いのにと思うのだが。FCバルセロナもメッシを始め、シャビやイニエスタといった中盤のパスの名手がそろっている。そして中村俊輔がバルセロナをホームとするもう一つのチーム、エスパニョールに移籍してきた。ちょうど城彰二がバジャドリードに在籍していた2000-2001シーズンの頃みたいな面白いシーズンである。なんとか眠くならずに90分集中して観る方法はないものだろうか。

つけ足しを一つ。レアル・マドリードのラウルが「人生で一番おかしかったことは?」とたずねられて、日本で見たコメディアンの「芝刈り機のまね」と答えたらしい。「めちゃイケ」のやべっち寿司のコーナーで、お笑いコンビ「ペナルティ」のワッキーがラウルとモリエンスの前で披露したものだ。たまたま見ていて記憶があるのだが、こちら で動画を見てあらためて大爆笑してしまった。これは日本人でなくてもウケる。

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2009年9月30日 (水)

困っていること

といっても深刻な話ではない。いや、ある意味深刻なのだが、お気楽な深刻さ(そんなものがあるのだろうか)なので、ばかばかしいことかもしれない。

私はテレビでサッカーを観るのが何より好きである。スタジアムまで遠いところに住んでいることもあり、日本代表戦であれJリーグであれテレビで観戦している。ありがたいことに最近ではイングランドのプレミア・リーグやスペインのリーガ・エスパニョーラまで、日本でテレビ観戦できる。

2002-2003シーズン前後はリーガ・エスパニョーラの「ギャラクティコ(銀河系軍団)」と呼ばれたレアル・マドリードの試合をよく観ていた。それまでサッカーにほとんど興味を持っていなかったのに、たまたま2000-2001シーズンのレアル・マドリード対FCバルセロナの試合(いわゆる「クラシコ」と呼ばれる伝統の、というか因縁の対戦)を観てしまったのがサッカー観戦にはまるきっかけだった。

バルセロナからレアル・マドリードに移籍したルイス・フィーゴが、バルセロナのホームスタジアム「カンプノウ」でコーナーキックのたびにバルセロナのファンから野次と罵声と物を浴びせられ、10分間の中断が入るすさまじい試合だった。バルセロナのファンは、お金目当てに宿敵レアル・マドリードに移籍したフィーゴを「守銭奴」「裏切り者」と呼んで、大ブーイングの嵐だった。今思い出してもすごい試合だった。その中で、淡々とコーナーキックをこなしていくフィーゴの姿にプロの選手ってすごいもんだなあと感心してしまった。試合が中断したとき、観客席に向かって冷静に試合を見てくれるよう頼んでいたバルセロナのキャプテン、プジョルの姿も印象に残った。

この試合以降ちょくちょくリーガ・エスパニョーラを観るようになった。ちょうど城彰二がスペインのバジャドリードに移籍した頃でもあり、どのくらい活躍できるのかも楽しみだった。一番熱心に観ていた2002-2003シーズンの前後はサッカーのビデオをほぼ毎日1試合ずつ観ていた記憶がある。リーガ・エスパニョーラの3~4試合と、ドイツのブンデス・リーガの2試合くらいのビデオ録画がたまるので、そのペースで観ないと追いつかなかった。とにかくサッカーの試合を見るのが面白くてやめられなかった。

私は特にルイス・フィーゴのファンになってしまった。当時のレアル・マドリードにはジダンもロナウドもいたしロベルト・カルロスやマケレレもいた。もちろんラウルも活躍していた。だが、ドリブルでライン際を駆け上がっていくサイドプレーヤーが好きな私は、右サイドにいるフィーゴのプレーに魅了されていた。バルセロナ戦で見せたプロ根性も「たまらんなあ」という感じだった。FCバルセロナ時代のフィーゴを観ておけばよかったとつくづく後悔した。

フィーゴに限らず足の速いサイドプレーヤー、ドリブルのうまいサイドプレーヤーがライン際を攻め、相手ディフェンダーをかわしてクロスボールをあげる瞬間が私にとって至福の瞬間だった。ゴールが決まっても決まらなくても、決定的チャンスがサイドプレーヤーから作られる瞬間が見たくて延々サッカーの試合を見続けたといってもいい。

サッカーは点が入らないから面白くないという人がいるが、私に言わせれば点が入らないから面白いのだ。誰が言っていたか忘れたが、現代のサッカーではきちんと人数をかけディフェンダーが必死で守っているのだから、それを崩して得点するのは容易なことではないという。力の差がある対戦の場合、弱い方のチームはワンチャンスのカウンター一発を狙って守備的にゲームを進めるから、格上のチームといってもゴールが難しくなる。だからこそゴールの瞬間が奇跡的で美しいのだと思う。よくぞ入ってくれました、と言いたくなるような信じられないようなゴールも多い。

と、ここまで書いてきたが「困っていること」にたどり着けず「困っている」という笑えない状況になってきた。毎度おなじみの「次回に続く」という姑息な手段に走ることをお許しいただきたい。

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2009年9月20日 (日)

クライシュテルスの復帰

今年の全米オープンテニスは、男子がフェデラーを押さえてアルゼンチンのデル・ポトロが優勝した。フェデラーはその決勝で主審に対し不適切な発言をしたとして罰金を科されたようだ。

審判に対する不適切な発言といえば、線審に対する暴言でセレーナ・ウィリアムスも同じく罰金を科されるという結果になったようだ。女子シングルスの準決勝でクライシュテルスとの久々の対決だったのだが、後味の悪い幕切れだった。

今回の全米オープンテニスは何だか暴言や不適切発言やラケットをたたきつける行為による罰金が多かったような印象を受ける。罰金の総額は計3万1500ドル(約290万円)だそうで他のグランドスラムと比べて多いのかどうかは分からない。1つのポイントに勝負がかかるので抗議する口調が激しくなってしまうのだろうし、試合中の興奮した精神状態からすればありうることなのだろうが、やはりいい感じはしない。

そんな中で、復帰してから最初のグランドスラムで優勝したベルギーのクライシュテルスの活躍は素晴らしかった。母親になり、また一線の選手としてコートに立つのは容易なことではないだろうと思ったのだが、全くブランクを感じさせない安定したプレーだった。一度引退して復帰というと、ヒンギスやクルム伊達公子などを思い浮かべる。彼女たちの場合は引退から復帰までの期間が相当長かったので、復帰後もグランドスラムで華々しい成果を収めるところまで至らなかったようだ。復帰までの期間が短かったとはいえ、クライシュテルスのグランドスラム優勝はすごい。

決勝戦が終わったあと、対戦相手のボズニアツキとなごやかに談笑している場面はクライシュテルスの人柄が表れていてよかった。表彰式後のフォトセッションで幼いお嬢ちゃんといっしょにカメラの前に立つ様子も、ああ母親になったんだなあと感じさせるほほえましい光景だった。1歳半だというお嬢ちゃんが、まだおぼつかない足どりながらコートを駆け回る姿には思わず頬がゆるんでしまった。おそらく十数年後にこの子もグランドスラムに出るような選手になるんだろうな、と気の早い想像が浮かぶ。

ベルギーといえばエナン・アルデンヌも引退してしまったが、彼女の場合は復帰はないのだろうか。小柄な選手ながら力強くシャープなバックハンドのショットをもう一度見てみたいと思うのだが。

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