節目
年度末である。季節感もなく年がら年中同じような毎日を送っていると、また似たような一日が始まるのだなあ、くらいの気持ちにしかならないが、それでも年度が変わるとそれで一区切りがついたような気もするのだから妙なものだ。
大晦日から元日へと年が変わっていくことにさして大きな変化があるわけではないのだが、それでも新年ということになればやはり何か気持ちが改まる、と吉田兼好は『徒然草』で言っていたような気がするが、それに似ている。
のんべんだらりと金太郎飴みたいな日々であっても、どこかで区切りをつけて仕切直ししないとやりきれない。だから、年末年始や年度が変わるというのは、思っているよりもいい効果を与えているのかもしれない。
つまり、変化ということだ。テレビの番組が変わる。クラス替えが行なわれる。担当者が変わる。部署が移動する。何でもいいのである。目前が変わったくらいで中身が変わるわけではなくても、人は外側にだまされる。それで気分が新たになれば、結構なことではないか。
もっとも、忘れないというしつこさや、いつまでも同じことを続けているという愚直さも一方では必要である。ただ、長い時間変わらずに続くと、たいがいの人は飽きる。飽きると繰り返しにうんざりする。ますますうんざりする。この悪循環を切り抜ける手だては、変化することしかないのだろう。
目先を変えることで、気分を変えることで、それまで続けてきたことも新しい意味や感触をもって見えてくるようになる。それでいいのではないか。十年一日、毎度毎度バカバカしい一席をと続けていくために、節目という隠し味は必要なのだと思う。
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