« 時事的放談・その4 | トップページ | それにつけても…・その1 »

2017年10月 7日 (土)

時事的放談・その5

枝野幸男氏が「立憲民主党」を立ち上げたことで、リベラル勢力の受け皿ができ、「自民+公明」対「希望+旧民進+維新」対「立憲+共産+社民」という三極の選挙戦となるのだろう。3ではなく2.5だという見方もあるが、有権者から見ればこの三者のどれかを選ぶことになりそうだ。

videonews.comで社会学者の宮台真司氏が興味深い図式を示していた。「5金スペシャル映画特集 ロクでもない世界の現実を映画はどう描いているか」 のpart1、23分50杪あたりから示される現代政治を分類するマップである。縦軸は経済的な原則、横軸は政治的な原則の軸であり、次のように示されている。

           市場主義
               |
    Eガバメント      |     米国的伝統
    (リバタリアン)      |     (新自民)
               |
参加主義ーーーーーーーーー+ーーーーーーーーーー権威主義
(市民社会)          |          (国家)
               |
    欧州的伝統      |     日本的保守
    (民主党)      |     (旧自民)
               |
           再配分主義

宮台氏の指摘では、かつての政治的対立軸は下段の「再分配主義」的な政治の中で、権威主義的か参加主義的かというものだったという。ところが、グローバル化の進展により再分配主義から「市場主義」へと世界的にシフトし、自民党も小泉・竹中時代から右上の象限へと位置を変えた。今回の民進党の希望の党への合流で何が起こったかといえば、かつて左下の象限に位置していた民主党(民進党)がどうやら右上に移動し、「再配分主義・参加主義」の左下が空白になってしまったということらしい。

問題はどうも日本だけのことではなく、世界的に、この左下の政治勢力が後退してきているようだ。宮台氏によると、それは「どこの馬の骨問題」だそうで、「どこの誰だかわからない奴のためにオレの税金を使うな」「どこの馬の骨かわからない人間にうちの会社が納めた税金を使ってもらいたくない」と考える人間が増えてきたのではないかという。だから再配分などせず、市場に任せればいいという新自由主義的な発想が強くなる。

国民国家の解体期に入っていると考えれば、再配分主義が勢いを失っていくという流れは押しとどめようがないのかもしれない。しかし、それでも当分は国家による手当が必要な国民が存在する。地方に住んでいると、人口減少と高齢化の影響をひしひしと感ぜずに暮らすことは不可能だ。だから、枝野氏の立憲民主党を軸としたリベラル勢には、この左下部分を埋める政治勢力としての期待がかかってくると思うのだが、果たしてどの程度の支持が集まるのか。

videonews.comは有料コンテンツを中心に配信しているサイトだが、金曜日が5回ある月は、「5金特集」という無料放送を見ることができる。今回もpart2は五本の映画を取り上げていて、part1と深く関連する議論が聞ける。

|

« 時事的放談・その4 | トップページ | それにつけても…・その1 »

時事」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 時事的放談・その5:

« 時事的放談・その4 | トップページ | それにつけても…・その1 »