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2017年9月24日 (日)

大義なき解散

内閣不信任決議案が可決された場合、または内閣信任決議が否決された場合、憲法第69条に基づいて衆議院は解散される。その場合でも、憲法第7条により天皇の国事行為として詔書をもって行われるものだそうである。

今朝の報道系番組で、首都大東京の憲法学者木村草太教授は、「憲法のどこにも解散が総理の専権事項であるという記述はありません。内閣に衆議院の解散権があるというのも、憲法第7条が根拠とみなすことはできるでしょうけれども
とコメントしていた。

第七条  天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。

一、ニ省略
 衆議院を解散すること。

四以下省略

衆議院の解散は、あくまでも天皇の国事行為であって総理の専権事項などではない。しかも木村教授が指摘していたように、「国民のために」衆議院を解散するのであって、政権維持や疑惑隠しのために解散できるのではない。

内閣官房長官を始めとして自民党では「総理の専権事項」と解散の正当性を主張しているが、その当否を争わないとしても、憲法第七条の「国民のために」という条文に照らして、いかなる大義があるというのか。

おそらく有権者の大半は、森・加計隠しの解散だと見ているだろう。しかし、自民党を選ばないと考えた時の選択肢がない。受け皿となる野党が見当たらない。たぶん、そういう考えから自民党をやむを得ず選ぶ、という人がいるだろう。自民党には入れたくないが、といって野党にも任せられるところがないから棄権する。そう考える有権者が相当数いるのではないか。投票率が史上最低の総選挙になるのではないかという、いやあな予感がする。

投票率が下がった場合、確実に組織票を積み上げることができる連立与党の公明党の動員力が大きな意味を持つ。投票率が低ければ低いほど、現政権に有利な結果が出るだろう。仮に投票率40%だったとした場合、過半数を得ても全有権者の二割にしか当たらない。十人のうち二人しか支持していなくても衆議院の過半数を獲得し、民意はわれわれにあると大見得を切ることができる。

では、どうすればいいのか。有権者にできることは投票による意思表示しかないのだから、できるだけ投票率が上がるように、知り合いやご近所を誘うしかない。だが、どこに投票すれば。どの野党も頼りにできないと思えば、白票を投じるしかない。投票率40%で白票率が50%だったとして、残りの有効投票で過半数を得た場合、実質的に全有権者の一割しか支持していないことになる。法律上は問題なくても、政治的に問題ないと果たして言い切れるか。いくらなんでもそこまで図々しく居直ることはできないだろう。とにかく投票に行く。入れるところがなければ白票を投じてくる。棄権した場合は丸投げすることになるので、結果がどのように出ても一切文句は言えない。だから、とにかく投票に行くことだ。

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