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2017年6月 9日 (金)

二極化…か

学力層が二極化しているのではないか、ということはずいぶん前にも書いた。小さな町の塾屋のオヤジが感じるくらいだから、全国どこでも同じようなことが進行しているのだろうなと思う。

具体的な話。つい一週間ほど前に中学生の中間テストがあった。2年生の数学の試験範囲は「式の計算」。一学年150名ほどの学年だが、おそらく平均点は70点くらいか、あるいは80点あたりまで伸びるのではないかと思っていた。これまで何十年もこの時期の「計算中心」の中間テストは、平均点が高いのが常だった。「式の計算」のみという試験範囲なら、「文字式の利用」の「式による説明」ができるかどうかで点数が分かれるくらいで、計算部分の差は小さい。「等式変形」あたりが、得点差になる程度だった。

ところが、平均点を聞いて驚いた。学年平均で55点。クラス平均は50点くらいだという。えっ、なぜ?何がどうなると、このテスト範囲で55点の学年平均になるわけ?平均点を教えてくれた生徒のクラスは、0点や2点の人もいるという。じゃ、何、80点90点取る人がゴロゴロいる一方に、10点20点以下の人も同じくらいいるということ?どうもそのようであるらしい。きちんと点数の取れる人か、ほとんど取れない人。その中間は少ないという。まさかここまで鮮やかに二極分化しているとは思わなかった。

それにしても、2年生の「式の計算」でこの平均点では、この先「連立方程式」はおろか「一次関数」などに進んだらどういうことになるのか。「式の計算」の単項式・多項式の計算ができないということは、基本的な計算の論理がまったくわからないという状態ではないだろうか。計算の論理でさえ大変なのであれば、関数のロジックなどチンプンカンプンの二乗、三乗ではないか。

思うに、この二極分化は今に始まったことではないのだろう。おそらく小学校の高学年にかかる頃から明瞭化しているのではないか。分からない生徒は、小学校計算から分からなくなっている。九九や桁数の多い数の加減乗除、分数計算、小数計算、単位の変換。どれをとっても小学校の算数でよく分からないまま通過してきた生徒が、中学の数学で撃沈している。

この学力の二極化の背景には、さまざまな要因が考えられるのだろうが、親の経済力の二極化という要因がかなり大きいのではないかと推測する。先日届いていた某教材会社のPRパンフレットでも、十年前と比較して所得の二極化が進んでいることが示されていた。公的な資料にあたったわけではないので確証はないが、世相の実感としても、そうだろうなと思う。

この、親の経済力の二極化が学力層の二極化に結びつくという理路は、どなたも想像できるのではないか。自習教材や添削、学習塾や家庭教師を活用できる余裕がある家庭と、教育費を確保する余裕など全くないという家庭では、学習に対する考え方が明らかに異なるだろう。

問題は、この学力格差が将来的に経済格差につながり、社会格差の拡大再生産になり、ひいては社会学者の山田昌弘のいう「希望格差社会」へと続いていくのではないかということだ。

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