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2017年6月15日 (木)

詮ない事ではあるが

「共謀罪」が国会で成立した。実行行為なしでも処罰できるという法律は、これからどのように運用されていくのだろう。

組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案
 (組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の一部改正)

(中略)

  第六条の次に次の一条を加える。

  (テロリズム集団その他の組織的犯罪集団による実行準備行為を伴う重大犯罪遂行の計画)

 第六条の二 次の各号に掲げる罪に当たる行為で、テロリズム集団その他の組織的犯罪集団(団体のうち、その結合関係の基礎としての共同の目的が別表第三に掲げる罪を実行することにあるものをいう。次項において同じ。)の団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行われるものの遂行を二人以上で計画した者は、その計画をした者のいずれかによりその計画に基づき資金又は物品の手配、関係場所の下見その他の計画をした犯罪を実行するための準備行為が行われたときは、当該各号に定める刑に処する。ただし、実行に着手する前に自首した者は、その刑を減軽し、又は免除する。

  一 別表第四に掲げる罪のうち、死刑又は無期若しくは長期十年を超える懲役若しくは禁錮の刑が定められているもの 五年以下の懲役又は禁錮

  二 別表第四に掲げる罪のうち、長期四年以上十年以下の懲役又は禁錮の刑が定められているもの 二年以下の懲役又は禁錮

 2 前項各号に掲げる罪に当たる行為で、テロリズム集団その他の組織的犯罪集団に不正権益を得させ、又はテロリズム集団その他の組織的犯罪集団の不正権益を維持し、若しくは拡大する目的で行われるものの遂行を二人以上で計画した者も、その計画をした者のいずれかによりその計画に基づき資金又は物品の手配、関係場所の下見その他の計画をした犯罪を実行するための準備行為が行われたときは、同項と同様とする。

(後略)

「テロリズム集団その他の組織犯罪集団」とあるが、「別表第三」に掲げる罪を実行することを共同の目的として結合されたものが「組織的犯罪集団」ということになる。その「別表第三」だが、長すぎるので省略する(詳しくはこちら、ページの真ん中あたり)。しかし、「別表第三」の中の

五十五 著作権法(昭和四十五年法律第四十八号)第百十九条第一項又は第二項(著作権等の侵害等)の罪

を実行することを共同の目的とし結合関係の基礎とした集団が「組織的犯罪集団」と認定されることになると、さまざまな表現の分野で、著作権侵害を恐れて自主規制が広がりそうな気がする。また「別表第四」には、気になる一節がある。

五 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う刑事特別法第四条第一項(偽証)の罪

とあるのだが、その「〜刑事特別法第四条第一項」とは、「第四条  合衆国軍事裁判所の手続に従つて宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処する。」というもの。これって例えば沖縄の高江のヘリパッドの建設に抗議している住民たちとかを念頭に置いているってこと?

政府内閣は東京オリンピックに向けてテロ対策の強化が必要と強調するが、それならば「テロリズム集団」と限定すれば済むはずだ。それを「その他の組織犯罪集団」とし、しかもその定義に要する共同目的の犯罪がやたらに多い(ニュース等では277となっている)のでは、拡大解釈による恣意的運用を危ぶまれても仕方がないだろう。「テロリズム集団」以外の集団こそが処罰対象の本命なのではないかと疑わしくなる。

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