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2016年9月

2016年9月16日 (金)

忘却

暗記が苦手です、という生徒がいる。何回繰り返してもすぐ忘れる。なかなか覚えられない。覚えたつもりでもテストの際に出てこない。一度見ただけでそれきり忘れない人もいるよなあ、と言うと、心底「いいなあ、そういう人。」とため息をつく。

しかし、人間の脳はもともと忘れるようにできているので、すぐに忘れても、なかなか覚えられなくても、それが自然な状態なのかもしれない。「エピングハウスの忘却曲線」というよく知られた図があるが、あれはなかなか衝撃的である。人は、覚えたことを20分経つと42%忘れる。1時間後には56%忘れ、1日後になると74%忘れてしまう。それでも4分の1くらいは残っているわけだ。と、私などは妙なところで感心してしまうのだが、たいがいの生徒はこの忘却曲線のグラフを見せると、「ええーっ、20分後に42%も忘れてしまうの?それじゃ半分ちょっとしか覚えてないってこと?そんなあ。」と大きくため息をつく。

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いやいやそうがっかりするものではない。先ほども触れたように、人間の頭は忘れるようにできているのだから、仕方のないことだ。それよりも、少しだけ残る記憶を大事にして忘れないように反復することのほうが重要だ。ここで例に出すのが、「百人乗っても大丈夫」というある物置メーカーのCMである。特に暗記しようとした記憶はないはずだが、CMを見たことがあるひとは必ずこのキャッチフレーズを覚えている。物置のCMは知らないなあという生徒でも、「チョッコレート、チョッコレート、チョコレートは…」と言えば、「ハイハイ、よおく知ってます。」となる。これもまた、暗記しようなどという気はまったくなかったはずだが、チョコレートメーカーのねらい通り、だれでもよく知っているキャッチフレーズとなっている。

だから、勉強の場合でもしゃかりきになって暗記しようとせず、繰り返す回数を増やし記憶が薄れてくるタイミングに反復することが大事なのだろうなと思う。二ヶ月から三ヶ月くらい繰り返したものは長期記憶に移行するという話だから、とにかく気長にしつこく何度も何度も目に触れさせることが大事なのだろう。

新しいことがだんだん覚えられなくなってきているなあと自覚するが、根気よく気長にしつこく繰り返して見直すことに関しては自信がある。あとは少しでも興味があることがらは黙っていても繰り返し接することになるので、ちょっとでもおもしろいなあと思える部分を見つけることも必要なのかもしれない。

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2016年9月15日 (木)

今年は自習に来る生徒が多い

年度の初めから、席が空いているときはいつでも自習に来ていいよと生徒には伝えてあるのだが、なかなか利用する生徒が増えなかった。指導の後に質問時間で残ってもいいのだが、これもまたなかなか利用しない。以前は、しつこく質問していく生徒や習慣になって疑問点を必ず一つ確認していく生徒がいたものだが、この数年あまり見かけなくなっていた。

ところが、どうしたわけか今年は自習に来る生徒が多い。夏期特訓後の8月下旬から自習者が増えている。ほぼ毎日だれかが自習に来ている。生徒の中でブームになっているのか、理由はよくわからないが、自発的に学習に取り組むのはいいことである。

自習の場合は時間の制限もないし、教科も全く自由。学校の宿題を持ってきて片付けてもいいし、とにかく自分の考えで進めてもらっているので好きなように勉強して帰っていく。あまり短時間で帰る生徒は少なく、最低でも二時間から三時間は自習していく。雑談はほとんど無し。まあ、これは私がすかさず釘をさすので、雑談できない環境になっていることも関係しているのだろう。

教室が広く思えるほど閑散としていた夏休み前とは異なり、指導日の生徒と自習の生徒で活気づいていい傾向である。どこまで自習ブームが続くのか分からないが、これがきっかけで学習習慣が定着してくれたらいいなと思っている。

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