« 逆手に取る | トップページ | 小西豊治『石川啄木と北一輝』 »

2015年5月25日 (月)

ドローン

このところ、「ドローン」をめぐるニュースが大きく取り上げられることが多くなった。首相官邸の屋上に「着陸」したまま気づかれずにいたドローンが大々的に報道されるようになってからだろうか。

しかし、どうもこのマスコミの取り上げ方には首をひねってしまう。ニュースで取り上げられたり、ニュース解説にでてくるドローンは、一様に四枚のプロペラを持つ四角いヘリコプターみたいなタイプばかりだ。だから、今「ドローン」という言葉を耳にしたときにほとんどの人がイメージするものも、それと同じだと思う。

たしかに、日本国内で急速に使われるようになっている「ドローン」は、そういうヘリコプター型だ。ビデオカメラを搭載して空中撮影に利用されたりしているようだが、おそらくその程度の受け止め方しかされていないと思う。

以前に記事で取り上げたことがあるけれども、日本から一歩外に踏み出して「ドローン」とは?と人々に問いかければ、おそらく真っ先に返ってくるのは、軍用の無人攻撃機としての「ドローン」だろう。無人攻撃機のドローンは、グライダーみたいな飛行機型をしている。数千キロも離れたところから操縦し、攻撃対象を爆撃する。え、そんな話聞いたことがありませんよ。確かに日本のマスコミでは取り上げられないので、一般に認識されていない。けれども、もう十年以上も前からパキスタンやイエメンで米軍の「ドローン」が、テロ組織(いわゆるアルカイダ系)関係者を目標に攻撃を繰り返している。「drone us strike」とでも入れて検索してみると、これでもかというくらい大量の記事が出てくる。しかも誤爆の話が多い。犠牲者はテロ組織と関係のない市民だ。

だから、そういう「ドローン」のイメージが一方にはあるのに、軍用無人攻撃機の話に全く触れることなく、つまりパキスタンやイエメンで人々が「ドローン」で殺害されているという事実に触れないまま、ヘリコプター型のドローンを一般的なイメージとして定着させようという動きには首をかしげてしまう。何か意図的に軍用無人攻撃機の存在から目をそらさせようということなのか。まずは「ドローン」という新語に耳慣れたところで、実は無人攻撃機も「ドローン」と呼ばれておりまして、今度我が国でも導入しようと考えております。いえいえ決して攻撃に使おうなんて滅相もない。あくまで偵察用ですよ。無人偵察機です。え?攻撃に転用できるオプションもあるんじゃないか、とお尋ねですか?いやあ、そのあたりは私にもちょっと…。まあ、あくまで偵察用ですから…。などという展開にならなければいいのだが。

にほんブログ村 教育ブログ 塾・予備校教育へ 教育ブログ 塾・予備校教育

人気ブログランキングへ 人気ブログランキング(教育・学校)

|

« 逆手に取る | トップページ | 小西豊治『石川啄木と北一輝』 »

時事」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ドローン:

« 逆手に取る | トップページ | 小西豊治『石川啄木と北一輝』 »