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2013年11月23日 (土)

属国の憂鬱・その1

特定秘密保護法は、どうやら来週早々にも成立しそうだ。国会の持つ国政調査権を縛るような法律を自ら成立させようとしている立法府の議員たち。自分の首を絞めていることになぜ気付かないのだろう。

公文書の公開原則や保存義務を確立していない状態で、どうやって事後的な検証ができるのだろう。そもそも30年後の公開原則が60年後に伸びるような与野党協議はわけが分からない。特定秘密に指定された事項の関連文書は、おそらくどんどん廃棄処分されるだろう。沖縄密約に関する外交文書は、どうやら全て廃棄されたらしい。元毎日新聞記者の西山太吉氏によると、その分量は1200トンだという。どれくらいの文書量になるのか想像もできないが、不都合なものは処分するということなのだろう。

TPP交渉も大詰めに入ってきているようだが、交渉内容は一切明かされないので、決まってからでなければ分からない。あれも秘密、これも秘密と、国内も国外も秘密だらけだ。なぜ隠すのか。「クサイものには蓋」だからだろう。決まる前に知られると人々が騒ぎ出す。だから知られる前に秘密に交渉を進めてしまう。そうでなければ、厳重な情報統制を交渉参加国に課している理由が分からない。

大手メディアで報じられたのかどうか知らないが、WikiLeaksが、知的財産権をめぐるTPP交渉の内容をリークした。95頁のpdfファイルで誰でも読むことができる。興味のある方はこちら でどうぞ。

報じられないといえば、国連環境サミット(COP19)の様子も大手メディアではほとんど見かけないのではないか。先進国、特にアメリカや日本にとって都合の悪い内容なので大きく報じないということか。

連日、途上国の代表が訴えるのは、先進国が二酸化炭素の排出削減に努力していないため途上国の人間が気候変動の影響を受けているということ。特に台風で膨大な数の死傷者を出したフィリピン代表の訴えは、悲痛な調子を帯びたものだった。

一体いつになったら先進国は削減目標を達成するつもりなのか。批判されている先進国にはアメリカと並んで日本も入っている。途上国の人々は、気候変動の影響から身を守るだけの経済的な余裕がない。ナオミ・クラインが『ショック・ドクトリン』で指摘していたように惨事便乗型資本主義の世界になりつつあるようだ。今回のフィリピンの台風被害にしても、そのうち海外資本がリゾート開発に乗り出してくるかもしれない。台風が地ならししてくれたようなものだ。住民にはわずかな立ち退き料を支払えばよい。そういう動きが出てこなければいいのだが。

豊かな少数者はより豊かになり、その他の大多数はどんどん貧しくなる。そういう世界を望ましく思っている人々が存在するということだ。一握りのご主人様とその他大勢の経済奴隷たちから成る世界。経済を優先するということは、結局そういうことなのだろう。

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