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2013年11月 1日 (金)

掃除・その4

見えるところの汚れは、いやでも目につくので、すぐにその汚れを取り除こうとする。けれども、見えないところの汚れは、とりあえず見えないからいいかと放置する。すると、そのまま意識の外に追い出されてしまう。汚れがあること自体を忘れる。

たぶん、他のことにもあてはまるんだろうなと思う。目につくことがらは、黙っていても気がつくから意識的に注意を向ける必要はない。しかし、目につきにくいことがらは、放っておくと忘れられて思い出せなくなる。意識して視線を向けておかないとすぐに「去るものは日々にうとし」の状態だ。

忘れていた所、見えない所の汚れを一つ一つ思い出して掃除していくと、だんだん気持ちが軽くなってくる。ずっと不義理をしたままのものに、やっと顔向けできたような気持ちになるからだろうか。

そんなふうにどんどん気持ちが軽くなってくると、自分の心の見えなかった部分、あるいは見たくないから目を背けていた部分かもしれないが、そういうものが浮かび上がってくる。

人は環境に馴れてしまう生き物だ。少し順調だったりすると、苦しかった時のことなどすぐに忘れ去る。あれほどありがたいことだと思っていたものを、いつの間にか当たり前だと思うようになっていたりする。感謝の気持ちを忘れずに持ち続ける、というのは口で言うほど容易なことではない。そして、感謝の気持ちを忘れ始めた瞬間からものごとは暗転していく。

人も物も出来事も、当たり前のものなどどこにもない。奇跡のような一瞬の積み重ねであり、もしかすると次にはめぐってこない場合だってあるかもしれない。その一瞬の貴重さにもいつしか馴れていく、哀しいことに。そうして感謝や感動から遠ざかる生き方を自ら進んで選んでしまう。

積もった埃を払い、汚れを落として、まっさらな気持ちでものごとに向き合うことを思い出さなければ。

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コメント

小林先生

掃除の心、本当に原点回帰だと思います。
苦しい時、八方塞の時、私は掃除をします。
どうしようもない時に、掃除の神様が
見守ってくれていると信じて・・・。

南部煎餅、ありがとうございます。
スタッフと陸奥の味をいただきます。
お心遣い、すみません。
ありがとうございます。


【学び舎主人】
上野先生、こちらこそ、おいしい柿をいただき
ありがとうございます。

今年はなにかと不調の一年で、少しでも現状
を打破したいと掃除を始めました。現状の変化
は目に見えてあるわけではありませんが、気
持ちの面ではだいぶ軽くなりました。

やはり、積もる埃や汚れは心身によくないです
ね。しばらく掃除に没入しようと思います。

投稿: 上野義行 | 2013年11月 1日 (金) 11時05分

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