« 大野晋『日本語練習帳』 | トップページ | 通いの軍隊 »

2013年10月 3日 (木)

前にどこかで

キース・ジャレットの「Somewhere Before」というアルバムのジャケットを眺めている。都会の街角を写したセピア色の写真。ニューヨークかどこかの古い写真だろうか。1曲目に入っている「My Back Pages」を聴きたくて、ときどきかける。ボブ・ディランの曲をジャズにアレンジしたもので、ライブ演奏の録音だ。

チャーリー・ヘイデンがベース、ポール・モチアンがドラムスのトリオ。この時のキース・ジャレットはいくつだったのだろう。1968年10月30日・31日の録音となっている。今から45年前の録音ということになるのか。60年代後半の雰囲気は、この1曲目の選曲からも十分に伝わってくる。

手許にあるキース・ジャレットのアルバムは、ソロ演奏のものの方が多い。ソロ以外のアルバムは、これとヨーロピアン・カルテットで録音した「My Song」しか持っていない。けれども妙なもので、よく聴いているのはこの2枚の方だ。

ソロを聴こうと思うと、どうしても全曲集中して聴かなければという気になるので、構えてしまう。それからすると、この「Somewhere Before」の「My Back Pages」や「My Song」の「The Journey Home」は、とりあえずこの曲だけという気楽な聴き方ができる。特に「The Journey Home」は、いい。こんなにいい曲だと、以前は思っていなかった。

これまで「My Song」というアルバムでは、「Country」が一番好きな曲だった。高校生のころ初めて聴いたときに、ヤン・ガルバレクのアルト・サックスとキース・ジャレットのピアノのソロ部分が耳から離れなくなってしまった。こんな繊細で抒情的な曲がジャズにもあるんだ。この曲を聴いていなかったら、もしかするとその後もっとジャズを聴いてみようと思わなかったかもしれない。

しかし、この数年「My Song」というアルバムを何度も聴いているうちに、待て待て、これは「Country」より「The Journey Home」の方がいいんじゃないか、という気持ちが強くなった。秋の黄昏時、西の空が茜色に染まるのを眺めながらこの曲を聴いていると、なんだか分からないけれど、前にどこかでこんな光景があったなという気持ちになる。

にほんブログ村 教育ブログ 塾・予備校教育へ 教育ブログ 塾・予備校教育

人気ブログランキングへ 人気ブログランキング(教育・学校)

|

« 大野晋『日本語練習帳』 | トップページ | 通いの軍隊 »

音楽」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 前にどこかで:

« 大野晋『日本語練習帳』 | トップページ | 通いの軍隊 »