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2013年9月21日 (土)

大丈夫か?

19日に、安倍首相が東京電力福島第一原発を訪れ、放射能汚染水漏れの現場を視察したという。視察後、汚染水の影響は一定範囲で「完全にブロックされている」とあらためて示した。大丈夫か、本当に?

首相は、汚染水の影響は港湾だけだとしているが、不検出なのは外洋で薄まっただけのことではないのか。陸上と同じように海底に、放射線量の高いホットスポットができている可能性があると考えた方がいいのではないか。2012年1月15日に放映された、NHKスペシャル「シリーズ原発危機 知られざる放射能汚染~海からの緊急報告」で、福島から東京湾にかけて、海底の汚染状況がどうなっているか示された。専門家の調査に同行取材して明らかになったものだが、その中で、いくつか重要な指摘がなされていた。

まず、海底の泥に放射性物質が付着している。それをゴカイなどが取り込み、さらにそれを餌とする底魚が取り込んで濃縮が起こるということ。次に、海底の地形や海流の影響で、放射性物質が集まるホットスポットができているということ。さらに、関東の多くの河川がそそぎ込む東京湾は汚染が進行していくということ。いずれも、それぞれ専門家が調査するのに同行し、調査結果の解説も専門家に依頼している。(ご覧になっていない方は、こちら の動画をどうぞ)

もちろん、この番組では、事故直後から海洋に流出した放射性物質に焦点が置かれていたのだが、汚染水にしても海洋中に流出しているのであるから、ほぼ同様の海洋汚染を引き起こしていると考える方が無理がないのではないか。

IOC総会で首相が「状況はコントロールされている」と述べた後、13日に東電フェロー(技術顧問)が「今の状況はコントロールできていない」と発言して大きく取り上げられていた。専門家の間でも、汚染状況の把握の仕方など方法も含めて首相の発言に疑問の声が上がっている。

そもそも東京電力福島第一原発は、まだ「原子力緊急事態宣言」が解除されていない(以前の記事 をご覧下さい)。つまり、安倍首相は原子力災害対策本部長のままなのだが、「原子力緊急事態宣言」が解除されない状況だということをどう考えているのだろうか。2020年の東京オリンピック開催のころには、解除できるだろうと楽観しているのか。しかし、4号機の使用済核燃料の移動だけでもどれくらいの期間かかるか分からないし、溶融した1号機から3号機までの核燃料の処理となると、いつの話か見当もつかない。こういう状況が続いている中で、「完全にコントロールされている」と確約して、本当に大丈夫なのか?

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