« 『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』を読む・その9(終) | トップページ | 森達也『A3』・その1 »

2013年8月26日 (月)

マニング氏に禁固35年

以前にも紹介した(こちら )、ブラッドリー・マニング氏に禁固35年が宣告された。前回紹介したときには有罪判決が確定しただけで、量刑は決まっていなかった。海外メディアによっては、禁固135年という事実上の終身刑ではないかという予想もあった。

今回の宣告でも、すべての罪に関して加算されると最長で90年(軍事法廷の検察側は現実的に60年を求めていたようだ)と見られていたが、最終的に35年で確定したようだ。身分的にも上等兵から最下級の二等兵へ降格された不名誉除隊の扱いになるという。

拘束されていた期間は刑期から除外されるものの、それでも30年以上である。内部告発者の払う代償としては大きい。マニング氏は、利敵行為を意図して外交公電などをリークしたのではなく、イラクで行われていたアメリカの戦争の実態を国民に伝えることでこの戦争について考えてもらいたかった、と述べているようだ。詳細はこちらこちら

この宣告が下されたのが、21日。日本で報道されるかどうか、いつもより少し気をつけて見ていたが、知る限りでは新聞・テレビとも全く触れていないのではないか。アメリカはもちろんヨーロッパやロシアでも大きく取り上げられている出来事なのだが、日本のマスコミは、一切取り上げない。ここまでくると、これはかなり意図的な取扱いなのではないかと思いたくなる。

海外のメディアが報じるところでは、マニング氏は性同一性障害に苦しんでおり、これからは自分のことをチェルシー・マニングと女性名で報じることを要望しているという。ホルモン剤の投与と性転換手術の希望もあるようだ。ただし、受刑期間に手術は受けられない見込みで、男性のまま刑務所に入ることになると報じられている。

この話題などワイドショーで取り上げれば、しばらく持ちそうなネタであるにも関わらず、テレビで見かけることは今後ともなさそうだ。エドワード・スノーデン氏の件にしても、ロシア亡命が報じられた以後はパタッと話題に出なくなった。二人とも、ウィキリークスと関連しているので、ウィキリークスについてあまり触れてほしくない人がいるのかもしれない。

アメリカでもイギリスでも日本でも、政府が秘かに行っていることを内部告発によって明るみ出されると、いろいろと不都合なことがあるのだろう、おそらくは。日本などは、マニング氏の件が広く知れ渡っているわけではないので、特に「寝た子を起こすな」とばかりに無視されているのではないか。

いずれ、今秋の臨時国会で「特定秘密保護法」が通過すれば、公務員の情報漏洩に最長で懲役10年が科されることになる。以前、海上保安庁の船に中国漁船が当て逃げした時の映像を、海保職員がリークするという事件があったが、今後同様のケースでリークすることを決意する人は皆無となるかもしれない。また、仮に内部告発者が現れて逮捕された場合でも、逮捕についてではなく、内部告発者のことを非難する大炎上が起こるのではないかと嫌な予感がする。

にほんブログ村 教育ブログ 塾・予備校教育へ 教育ブログ 塾・予備校教育

人気ブログランキングへ 人気ブログランキング(教育・学校)

|

« 『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』を読む・その9(終) | トップページ | 森達也『A3』・その1 »

時事」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: マニング氏に禁固35年:

« 『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』を読む・その9(終) | トップページ | 森達也『A3』・その1 »