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2012年11月30日 (金)

分析と連続と総合と

自宅から国道四号線を通って教室まで往復している。ほぼ、毎日。片側一車線の区間が多いので、ぼんやりものを考えながら運転していても、まあなんとかなる。信号を見落としさえしなければ、ヒヤリとするようなことは少ない。

天気がいいと運転が楽なので、余計にくだらないことを考えてしまう。たとえば、いま走っている地点は、自宅から教室までいく行程の瞬間的な一地点であるが、この一瞬一瞬が重なることで目的地である教室にたどり着くことができる。

点が集まって線になるようなものである。しかし、線になってしまうと元々が点であったことを意識することや考えることはなくなる。同じように、目的地にたどり着くと行程の途中の一地点はどうでもよくなる。移動という行為の総体が完結すると、それを構成していた個々の要素は見えなくなる、と小難しく言えば言えそうだ。

あらゆる物事は微小な部分に還元できる。手塚治虫はフリーハンドで完全な円が描けたという伝説が残っているそうだが、フリーハンドで描いている円を瞬間ごとに見てみれば点にしかならない。だが、中心との距離を一定に保ちながら微妙に角度を変えて移動していくことによって円が完成する。さきほどの移動の例と同じように、円が完成してしまえば描く途中の瞬間瞬間はどうでもよくなる。

このように物事を分析していくと微小な部分に還元できるが、それだけ見ていたのでは当たり前の話だが全体はわからない。けれども総合された全体、つまりは完結した物事の総体だけを見ていても、どうすればそこにたどり着けるのかということは見えてこない。

その間をつなぐものが連続性ということかもしれない。瞬間瞬間の連続、あるいは軌跡と言った方がいいのか。つまりはプロセスということになる。最初の移動の例で言えば、ある瞬間における一地点はそれだけでは当然目的地との連関は薄いわけだが、その一地点をつないでいく過程が目的地へ導く。瞬間をつなぐプロセスで選択をまちがえると目的地にはたどり着かない。

そう考えると、分析と連続(軌跡)と総合のどれも等価に重要である。どれが一番ということはなく、どれが欠けても物事は完結しない。

分析された微小な部分、瞬間において問題になるのは手法であろう。どのように処理すればよいのか。この一点のみである。手法がわかっていればある瞬間や部分を取り扱うのは難しくない。

総合された完成形で問題になるのは、バランスだったり仕上がりであろう。目的の達成度も入るかもしれない。個々の手法ではなく、全体としてどうなのか。成功したのか失敗だったのか。結果としての評価が求められる。

では、個々の部分を処理するノウハウがあり完成形のイメージもあるのに、うまくいかないことがあるのはなぜか。個々の部分をつなぐ連続性、プロセスに問題があるからではないか。過程において問題になるのは、完成形や結果を求めるにあたって、どのような部分が必要になるのかという分析である。つまり分析と総合の両者がうまくつながっていなければ、過程が詰まってしまうということではないか。

入口と出口だけわかっていても迷路を通り抜けられるわけではない。どの通路をつなぐか。どこでどちらに曲がればいいのか。過程が脱落すると迷路の中をうろつくことになる。

では、分析と連続と総合がうまく機能するためには何が必要なのだろう。これも当たり前のような話だが、経験と学習ではないだろうか。マウスを使った迷路の実験ではないけれども、試行錯誤の経験の中から学習されたものが、正確な分析と必要な連続と結果のイメージをもたらす。ということは、試行錯誤してもらわないとそこから学習する材料がないよ、ということになるのか。

うーむ、そうすると生徒にはなるべく多くのまちがいをしてもらわないといけないことになるのか。効率のみを考えるととても無駄の多い話になる。しかし、効率のみを優先するようなことでいいのだろうか。製品を作ったり、ブロイラーの養鶏をしているわけではないのだから、試行錯誤をそれぞれが消化していくつまりは学習していく時間を待たなければならない。そしてこれまた当たり前の話になるのだが、その消化する時間には個人差があるので個々の生徒に応じて待つ度合いを変えなければならないはずである。

さて、それをどのように日々の教室の中に活かしていけるだろうか。私も試行錯誤していかなければ。

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