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2012年11月28日 (水)

今年は何を読んだろう

今週末には十二月に入る。もう今年もあとひと月という時期になったわけだ。

今年はいったい何を読んだのだろう。まず、センター試験の古文に出題された『真葛がはら』に興味を持ち、只野真葛関連の本を一月から三月頃に読んでいた。門玲子氏の書いた評伝『わが真葛物語』、永井路子氏の小説『葛の葉抄』、只野真葛が著した『むかしがたり』などだが、真葛自身が書いた『むかしがたり』が印象に残っている。

そのころに並行してはまっていたのは、T・S・エリオットの『The Waste Land(荒れ地)』である。朗読された音源を、毎日行き帰りの車の中で流しっぱなしにしていた。原文もくり返し読んでいた。それまでまったく読んだことの無かったエリオットの詩は、難解でありながらイメージが豊かに喚起される不思議な感触を味わわせてくれた。

只野真葛、T・S・エリオットと同じ時期に、円仁の『入唐求法巡礼行記』を読んでいた。ただし東洋文庫に入っている二巻本のうち1のみで止まっている。2を読まなければと思いながら十一月になってしまった。これは気楽に読み飛ばせる一冊ではないので、読むぞという意志を固めてからでないと取りかかることができない。それもあって延び延びになっているのだと思う。

夏場に入ってお盆休みのあたりから、桜庭一樹の作品を初めて手に取った。『赤朽葉家の伝説』は、実に面白い一冊だった。戦後の日本社会の変遷を俯瞰するような構成は、よく練られていると感じた。その後『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』と『ブルースカイ』を続けて読み、息子が買ってきた『伏(ふせ)』を、ちょっとだけ読み始めている。十二月の初頭に『製鉄天使』の文庫版が出るので、そちらを先に読みたいと思っている。

同じくお盆休みの頃から読み返し始めたのが、村上春樹の作品である。八月から九月にかけて、一気に初期三部作の『風の歌を聴け』『1973年のピンボール』『羊をめぐる冒険』を読んだ。これは新鮮な発見がいくつもあってよかった。やはり忘れてしまうものである。十月には『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』も読んだ。しかし、初期三部作とちがって、この作品について何か書こうと思ってもすぐに形にできなかった。それで、『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』は現在2回目の読み返し途中である。もしかすると、2回でもダメかもしれない。そうなったら3回目、4回目と繰り返して読み直してみるしかないような気がする。個人的には、村上春樹の長編の中で一番にしたい作品である。ただし、『1Q84』など最近の長編をいくつか読んでいないので、『海辺のカフカ』までの長編の中でということになるが。

で、十一月が『夢酔独言』という勝小吉の自伝。これは、面白かった。なんとも痛快な無茶苦茶な生涯。旗本なのか侠客なのかわからないような生き方は、不思議な魅力に満ちている。勝海舟という息子が育つわけだと納得させられた一冊である。

こうしてみると、今年も『源氏物語』を読めないまま終わってしまいそうだ。来年こそは、と毎年思うのだが、どうなることか。

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