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2012年5月30日 (水)

海と川と湖と

今年の1月15日に放送されたNHKスペシャル「シリーズ原発危機 知られざる放射能汚染~海からの緊急報告」をご覧になっただろうか。私は放送されていたことをまったく知らずにいたのだが、時々記事を引用させていただいている「カレイドスコープ」さんの記事(こちら) にリンク先(こちら) が載っていた。この動画もいつ削除されるか分からないが、興味のある方は早めにご覧になってはどうかと思う。

何と言っても衝撃的だったのが、立入禁止とされていた原発から20km圏内の海域に政府の許可を得て、初めてNHKと専門家が測定に入ったときのシーンである。

海面の放射線量を計測してみるとそれほど高くない。ところが海底の泥が舞い上がるたびに海中に降ろした測定機の線量が上昇する。結局、保安院が発表していた「海の中では十分に薄められて拡散するので大丈夫だ」という説明は何だったのか。事故から半年経過した時点での計測なのに、20km圏内の海底の泥には相当量の放射性セシウムが固着している。番組中で報じているように、海底の泥から魚の餌になるゴカイには4分の1の量の放射能しか移行していないが、そのゴカイを食べたメバルなどの底魚は、ほぼ海底の泥と同じ量になる。食物連鎖を通じた濃縮のためである。

しかも、海の汚染は福島第一原発周辺の海域に留まらない。川が海に流れ込むことで生じる「沿岸流」によって放射性物質は千葉県の銚子沖まで運ばれ、所々に海の中のホットスポットを作り出している。

海の中ばかりではない。群馬県の湖でとれるワカサギの放射能が相当高く、湖底にセシウムがたまっていることが分かった。周囲の山から幾つかの川が流れ込み、湖から流れ下る川が一本しかないこともあって、閉鎖性の高い湖になっていることが原因のようだ。

もう一つ、東京湾の放射能汚染がこれから進むだろうという予測も衝撃的だった。荒川など東京湾に注ぐ河川を運ばれきた放射性セシウムが東京湾に流れ込み、内海のように閉じられた東京湾の中に蓄積していくということらしい。

群馬大の早川教授が作成した放射能汚染マップ(六訂版はこちら )を見るとよく分かるが、放射性物質が降下したのは福島県内だけではない。北は宮城、岩手。南は関東のほぼ全域。ただ、気流の影響で、降下した地点は局所的である。

山に降下した放射性物質は、雨のたびに流れて川に注ぎ込み、そこから湖、海へと運ばれていく。そうなると、浄水場に放射性物質が流入していても不思議ではないだろう。最近のホルムアルデヒド騒動も、原因がよく分かっていないようだが、放射性物質が多く流入し測定値が高くはね上がったことを隠すためではないのかと疑いたくなる。

いずれにしても、海や川や湖の中に流れ込んだ放射能は、薄められて拡散するから大丈夫だということにはならないようだ。

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