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2011年7月30日 (土)

やはり…

「不安院」と揶揄される原子力安全・保安院が、中部電力・四国電力の原発シンポジウムで住民の動員と原発に対する肯定的発言を誘導するよう「やらせ」を指示していたという。

先日問題になった九州電力のやらせメール事件もそうだが、これが原子力発電を巡る官・民の実態ということなのだろう。日常的に行われていたから内部で取り立てて問題にもならなかったのだろうし、たとえば九州電力のやらせメールにしても今回の保安院のやらせ指示にしても、指示を出した人間にそれが不適切な行為であるという認識はなかったのだろう。

原子力安全・保安院は、そもそも原子力の安全確保を主たる業務とするお役所ではないのか。保安院で出しているパンフレット(こちら) の中にはこう書いてある。

 私たちの任務は、原子力その他のエネルギーに係る安全と産業保安の確保を図ることであり、その任務を果たしていく上で「国民の安全の確保と環境の保全」を図ることを組織目標としています。

その次に掲げられた「私たちの行動規範」という項目には、以下のように載っている。

 私たちは、「強い使命感」「科学的・合理的な判断」「業務執行の透明性」「中立性・公正性」…の四つを行動規範としています。
 エネルギー施設や産業活動の安全を守り、万一の事態に的確に対応するために、第一に、「強い使命感」に基づき緊張感を持って業務を遂行します。第二に、安全・保安行政の専門家として現場の実態を正確に把握し、「科学的・合理的な判断」のもとに行動します。第三に、国民の皆様の信頼と安心感を得るため「業務執行の透明性」の確保に努めます。情報公開に積極的に取り組み、自らの判断について説明責任を果たしていくことを重視します。第四に、「中立性・公正性」を大前提として安全・保安行政を遂行します。
 国民の皆様の暮らしを支えるエネルギーの安全や産業の保安をより確かなものとするために、私たちはこれら基本的な行動規範に基づいて、職務を遂行してまいります。

これはギャグではなく、保安が出しているパンフレットに載っている真面目な文章である。いかに建前的な内容しか載っていないパンフレットだとは言っても、もはやギャグとしか受け取れない内容である。いったいどこに「強い使命感」があり「科学的・合理的な判断」がなされ、「業務遂行の透明性」が確保され「中立性・公正性」が担保されているというのか。

そもそも論で言えば、原子力発電を推進する経産省の中に安全を監視する保安院があるということそのものがおかしい。推進する組織の中に規制・監視をする機関があって正常に機能すると考える方が無理ではないか。

まずは、「原子力安全・保安院」を経産省とは無縁の独立した行政機関とすべきであろう。その次に、こうした「やらせ」体質を持つ原子力発電業界、つまりは電力事業業界を根本的に改革すべきではないか。発送電分離でもよいだろうし、スマートグリッドでも何でもよいけれど、今のような半官半民の業態をそのままにしていては問題の根本的な解決はできないだろうと思う。

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