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2011年1月31日 (月)

本を貸す

誰かに本を貸すときには、その本をあげるつもりで貸すことが多い。いつ頃からそうなのか思い出してみると、二十代の初めくらいからそんなふうに考えていた。

どうしても読みたいから貸してほしいと申し出られた場合は、相手から期限を決めて返してくれることが多い。しかし、こちらの方で「これ面白いから読んでみて」と貸す場合には、基本的に返却を期待しないほうがいいようだと学んだからかもしれない。

以来、誰かに貸したまま、実際にはあげてしまった本は二十冊以上になる。後輩だったり、友人だったり、同僚だったこともある。生徒にも何冊か貸したままになっている。これはこれでいいのだと思っている。

貸したままの本が読みたくなり買い直したものもある。中公文庫から出ていたセリーヌの『夜の果ての旅』上・下などはそれだ。ルイ・フェルディナン・セリーヌの作品は国書刊行会から全集が出されていたはずだが高くて手が出せず、この中公文庫に入っているものと、集英社かどこかから世界文学全集の一冊に入っているものしか買ったことがない。以前持っていた文庫の上・下巻は後輩が連れてきた人物に貸してしまい、それきりである。三十年近く前の話だ。

それが何かの拍子に、急にセリーヌの『夜の果ての旅』のことを思い出し、そうだ貸したままだったと気づくと、矢も楯もたまらず読みたくなってしまった。本屋を数軒回りようやく入手した記憶がある。今ならネットで探せば、中古も含めて即座に見つかると思うが、昔は一度手放したりすると地方ではなかなか手に入らない本も多かった。

しかし、そうやって貸したままあげてしまった本のことを惜しいと思うことは少ない。かえって、ああ、あの人の書棚の隅に自分の貸した本が眠っているかもしれないと想像するのは楽しい。もしかすると不要な本とともにBOOK・OFFに売り払われて見知らぬ誰かの所に流れていった本もあるかもしれない。文庫本などはその可能性が高い。

逆に誰かから借りたまま、実質的にもらってしまった本はほとんどない、と思う。この頃記憶力に自信がなくなってきたので断言できないところがつらいが、たぶんないと思う。誰かから借りて読むという機会そのものが少なかったということがあるし、個人からではなく図書館から借りることの方が多かったからかもしれない。こちらのほうは返却期間を大幅に過ぎれば督促の通知が来たりするので、借りっぱなしということにはならない。

図書館といえば、年が明けてから今年はまだ借りに行っていないことに気がついた。

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