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2010年11月16日 (火)

岩手の学力

朝日新聞の岩手版に、「いわての学力を考える」というシリーズが載っている。数回続くようで、今朝の紙面が第一回となっている。

全国学力調査の結果をもとに、県内の子どもたちの学力の現状を考えようという企画らしいが、三年前の小6で10位台であった算数が中3ではなんと45位である。記事によると、小6のときに円の面積を求める式が半径×半径×3.14だと答えられなかった生徒が28%いて、その小6生が中3になった今年の数学で円柱の体積を求める式が答えられなかったという。底面積を求めるところで「直径×円周率」という円周を求める式を面積の式だと思い込んでいる生徒が多かったらしい。

県内の中学生の数学力が下がっているのではないかという感触は、個人的にもあった。身近なところ、たとえば中3の息子に実力テストの平均を訊くと数学は毎回低い。息子の中学校だけそうなのかとも思ったが、教室に来ている奥州市の東水沢中学校の平均点を訊いてもやはり数学が毎回低い。

新聞の記事では原因として、小学校からの積み上げができていないまま中学校の数学に接し、いわゆる「中1ギャップ」と呼ばれる現象を引き起こしているのではないかと述べている。確かにそれはありそうな話だと思う。

教室に来ている小6の生徒を見ていると、分数計算・小数計算などの基本計算でときどき怪しい計算になるときがある。幸い今は十分な練習量をこなすだけの時間的余裕があるので、ここぞとばかりに分数・小数計算を徹底して練習させている。しかし、これが家庭学習でもしっかり時間を取らず、十分な練習がなされていないとしたら、中学に上がって解けなくなるのは無理もないことかもしれない。

一時期全国を席巻した感のあった百マス計算は、今でも小学校の算数で活用されているのだろうか。漢字の読み、書きの練習や語句の意味を調べさせる地道な課題は今も出されているのだろうか。

「読み・書き・そろばん」という昔の基礎学力は、少しも古びていないと私は思う。その昔の基礎学力から考えてもいかに中学生の漢字力が落ちているか日々目にするたびに愕然とする。書きはともかく読みができないのでは国語辞典で意味を調べることができないではないか。ちょっとした慣用句やことわざも、生徒にとっては死語の世界に等しい。

それゆえかどうか断言できないが、国語力がしっかりあって言葉を知っている生徒は、数学など他の教科の点数も悪くない場合が多いように思う。高校生になってさらに抽象度の高い現代文、特に評論などを読まされたときに、はたしてこの子たちはどうするのだろうと大いに心配になる。

おそらくこれは単に教科指導の問題ではないのだと思う。「学ぶ」ことそのものへの意欲を引き出す努力を重ねない限り、解消していかない問題ではないかという気がする。親や周りにいる大人も含めて、「学ぶ」ことの意義をしっかり子どもたちに伝えていくことが必要だと痛感する。

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