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2010年9月25日 (土)

橋を渡る

ほとんど毎朝、橋を渡る。北上川にかかる日高見橋という橋だ。北上川の西岸から東岸へ渡ると東陵中学校への入口にあたる交差点があり、そこを右折して展勝地方面へと進んでいく。通い慣れたいつもの通勤路である。

日高見橋という命名は、なかなかいいなと思っていた。かつて陸奥国は日高見国と呼ばれていたことがある。歴史とのつながりを感じさせてくれる名前である。この橋は新しく造られた橋で、片側一車線ながら道幅が広く、歩道もゆったりしている。水面からの高さもあるので、橋の真中あたりに来たときの眺めはなかなかよい。もちろん運転しながらだから、じっくり眺めてはいられないが、川下の珊瑚橋の辺りの風景は、広々として気持ちがいい。

朝の早い時間にこの日高見橋を渡ることは、あまり多くないのだが、夏期講習などの期間には、通勤ラッシュの時間帯にぶつかることがある。そうなると東陵中学校下の交差点を右折するのが大変になる。東岸から西岸の市内方向へ向かう流れが多くなるからだ。

それを避けるため、いつもは渡ることがない川下の珊瑚橋を目指すことになるのだが、建てられてから数十年以上になる珊瑚橋は道幅が狭く、冬の路面凍結時や積雪時には正直なところ走るのが恐い。水面がすぐ眼下に見えるのも高所恐怖症の私としてはいただけない。増水したときはなおさらである。

ただ、古い橋であるだけに色々と思い出すことも多い。珊瑚橋を初めて渡ったのはいくつの時だったのか。おそらく小学校に上がるか上がらないかの頃だと思う。展勝地の桜を見に家族で来たときだ。夏の花火大会の時も、何度か来ている。橋の近くで花火を見上げたこともあるし、珊瑚橋に仕掛けられた「ナイアガラの滝」と呼ばれるエンディングの花火を、川下の方から眺めたこともある。高校時代の友人の家が近いので、遊びに行ったときは北上川の堤防をぶらぶらとこの橋の方まで散歩したりしたものだ。

老朽化しているので、いつか架け替えになるのだろうが、できることなら珊瑚橋は現在の雰囲気を残したまま拡幅だけしてほしいと思う。

北上川にかかる橋で利用することが多いのはもう一つ、奥州市水沢区内に向かって東岸から西岸へ渡る桜木橋である。ほぼ毎日渡っていると言ってもよい。この橋も北上市の日高見橋と同じように川面から高い位置に路面があって見晴らしがよい。しかも片側二車線のゆったりした橋である。

この橋を渡るとき、川下に見える丘陵地帯にいつも目がいってしまう。川が右カーブしていて見えなくなっている先のあたりが巣伏の戦いのあった地点だ。阿弖流為(アテルイ)が紀古佐美の率いる官軍を大敗させた戦いである。川下の丘陵地帯には、その阿弖流為らがたてこもったのではないかと見られている小高い丘というか小山がある。天気が悪くて見通しがよくない時でもこの丘は遠くからよく見える。何だかよく分からないが、目にするたびに気が引き締まる。この桜木橋を渡って水沢区に入ると、教室まで五分ほどという所だからかもしれない。

川の流れは日々表情を変えるが、川の周辺の風景はいつも同じようなたたずまいを見せている。変わらない風景の中で川だけが流れていく。いや風景も少しずつ変わっているのだろうが、それとすぐに気付くような変わり方ではない。その両者を橋の上から眺めるとき、自分が生きている時間のこともぼんやりと思ったりする。

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