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2010年8月25日 (水)

ハンク・ジョーンズの言葉

朝日新聞の岩手版に、一関のジャズ喫茶ベイシーの菅原正二さんが、「Swiftyの物には限度、風呂には温度」というコラムを連載しているという話を以前に何度か書いた。思わず紹介したくなるようないい話が多い。

今回のコラムでは、お盆の季節がやってきてサッと去ったという話から始まり、ベイシーでのライブ・レコーディングがラスト・ライブ・レコーディングとなったハンク・ジョーンズを偲ぶ内容である。91歳で亡くなるまで現役のジャズ・ピアニストだったハンク・ジョーンズは晩年まで毎日4時間以上の練習を日課にしていたそうで、頭の下がる思いだ。

日本と縁の深いジャズマンで、ライブ・レコーディングがベイシーでのライブとなっただけでなく、ラスト・スタジオ・レコーディングも、今年の2月24日に「ソニー・ミュージック乃木坂スタジオ」で録音された物がそうなってしまったという。

コラムの末尾で菅原さんが紹介するハンク・ジョーンズのエピソードが印象に残る。

いつもはジョークばっか連発していたハンクが、ある時ある女性に真顔でこう言ったという。
「他人(ひと)の言うことを信用するな。
 眼に見えることも半分は疑え。
 自分だけを信じなさい。自分の心が信じることを」
一人の偉大なジャズマンの栄光の影に隠された苦難の長い道のりを思う。
(朝日新聞岩手版 2010年8月18日付)

「眼に見えることも半分は疑え」「自分の心が信じることを」信じなさい、というハンク・ジョーンズの言葉は深い。いつも引用する『星の王子さま』の「大事なものは目には見えないんだよ」というひと言に通底するような響きがある。

「自分の心が信じること」を信じていくことは、言うほどたやすいことではないのだとも思う。他人の言うことや、眼に見えることにいつだって足許をすくわれる。ぶれることなく自分の心を保つ心棒をしっかり作っていくことが必要なのだ。

91歳で亡くなるまで毎日練習を欠かさなかったハンク・ジョーンズ。小さくても確実なものを積み重ねていくこと、これも心棒を形作っていく上では大事なことなのだろう。

自分を信じること。ここからすべての物事が始まるのだと思う。

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