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2010年8月19日 (木)

猫的・その3

近代、現代の小説の中にも印象的な猫が登場する。たとえば夏目漱石の『吾輩は猫である』など誰でも真っ先に思い浮かべるのではないだろうか。ポーの『黒猫』などという作品もあるな。

しかし個人的に一番鮮烈なイメージがあるのは村上春樹の『海辺のカフカ』に登場する猫たちである。この作品に出てくる猫たちは猫というよりもう人間そのものというイメージである。それゆえ擬人化された猫たちの姿に思わず感情移入もしてしまう。その猫たちにふりかかる災難は猫好きにとっては読み通すのがつらくなるシーンだとも言える。

筒井康隆の小説には犬を人間のように描いたものがいくつかあったはずだが、具体的にどの作品だったか名前が出てこない。犬好きの筒井康隆だから、結構多かったと思うものの、どうしても作品名が思い出せない。

小説ではないが、ますむらひろしの描くファンタジックな猫もいいなあと思う。とぼけたような味わいもあり、気まぐれさから来る独立心のようなものが、個々の猫の表情や立ち姿に表れていて思わず眺め入ってしまう。

宮沢賢治の童話に出てくるのは「山猫」だ。『どんぐりと山猫』もそうだし、『注文の多い料理店』のレストランは「山猫軒」である。ちなみに花巻にある宮沢賢治記念館には「山猫軒」というレストランがある。もちろんこの「山猫軒」は、ちゃんと食事を出してもらえるレストランで、店からの注文は当然のことながら無い。

賢治記念館には賢治の設計に基づいて作られた南傾斜花壇がある。文字通り傾斜した面に作られた花壇の中にいると不思議な感触を味わう。普通花壇は平面的な広がりの中にあるので、四方を見渡したときに同じ高さにある花が視界に入ってくる。ところがこの南傾斜花壇では頭上にも足下にも花が広がり、三次元的な広がりの中で花を楽しむことになる。この奇妙な感触は他ではなかなか味わえない。息子が小さかった頃、何度かここに来たのだが、空間に浮遊しながら花を見ているような錯覚が気に入って、たびたび足を運んだのかもしれない。

話がそれてしまったが、賢治童話に犬は出てきただろうか。あまり記憶がない。ということは宮沢賢治も猫派だったのだろうか。猟犬は出てきたように思うのだが。

落語にも猫や犬が出てくる噺は多い。割合からすると猫が多いと思うが、これについては記事を改めて述べてみようと思う。

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