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2010年7月19日 (月)

「よし」「よろし」と「あし」「わろし」

今年度は古典を指導している高校生が在籍していないので、古典文法や古語の探究をする機会がほとんどなくなってしまった。こういう暇なときにあれこれやっておけば、いざという時にあわてなくて済む。とはいうものの、やはり切実な必要に迫られているわけではないため、どうしても浅い勉強になりがちだ。

「よし」「よろし」「あし」「わろし」は古文の中で判断を表す形容詞としてよく目にする。基本的に「よし」=良い、「よろし」=悪くない、「あし」=悪い、「わろし」=良くないという意味である。だからよい方から順位づけしていくと「よし」>「よろし」>「わろし」>「あし」という順にでもなるのだろう。対義関係でいえば、「よし」←→「あし」、「よろし」←→「わろし」だろう。

つまり「よろし」は決して誉め言葉にはならないし、「わろし」は全否定でばっさり切り捨てた感じにならない。どちらも「よし」と「あし」の中間帯のグレーゾーンにある、微妙なニュアンスの加わった語である。

実は三代目桂米朝師匠の上方落語を聴いているときに、「葦」は「あし」とも「よし」とも読むのはどうしてかという話がマクラの部分にあり、なるほどと思ったので確認してみたのである。米朝師匠によると、「あし」=「悪し(あし)」に通じるのでゲンをかついで「良し」に通じる「よし」と読ませたという。たとえば江戸の「吉原」は元々は一面の「葦原(あしはら)」だったが「よしはら」と読ませて「吉原」になった。葦で作った簾のことを「あしず」ではなく「よしず」と呼ぶのも同じこと。そういう話を聴いて、なるほどなと思った。

「よしきり」は「よし」だが「葦毛」や「葦笛」は「あし」である。ゲンをかつぐ必要のある色里や商売ものの「よしず」などは「よし」という読み方が定着してしまったということなのだろうか。もっと細かく調べてみると面白いかもしれない。

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コメント

よしはク活用で、あしはシク活用
逆に、よろしはシク活用で、わろしはク活用
なぜだろう。単に語感で決まっているのだろうか
ご存知でしたらご教示ください

【学び舎主人】
確かにその通りですね。私もよく分かりませんので、
調べてみて何か分かったら新しい記事としてまとめ
てみます。ありがとうございます。

投稿: UKY | 2020年8月 5日 (水) 10時56分

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