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2010年7月12日 (月)

つかこうへい追悼

W杯でスペインがオランダを1-0で破り念願の優勝を果たした、とワイドショーが報じているのを見て、そうか、ついにスペインがW杯を制したかと感慨に浸っていたら、すぐに続けて「つかこうへい氏急死」という訃報が入り驚いてしまった。

演劇の舞台そのものは見たことがなかったが、つかこうへいの『蒲田行進曲』や『熱海殺人事件』、あるいは『初級革命講座飛龍伝』など数多く出ていた小説や随筆などの文章を若い頃に熱心に読んでいた。

特に『蒲田行進曲』は、たしか角川書店の『野生時代』という月刊誌に「銀ちゃんのこと」というタイトルで載っていた小説を読んだのが最初だった。後に加筆され『蒲田行進曲』として単行本となり、直木賞の受賞につながった。直木賞受賞の1982年に同作品は映画化され、風間杜夫・平田満・松坂慶子らが好演していたのをごらんになった方も多いだろう。

角川の『野生時代』に載った「銀ちゃんのこと」という小説を読んだときのことは、今でもよく覚えている。大学の図書館の喫煙コーナーに月刊誌が数多く置いてあり、講義がつまらなくてサボっていた私は、頻繁に訪れていた。たまたま手に取った『野生時代』の表紙だったか目次だったかに、つかこうへい作「銀ちゃんのこと」という大きなタイトルがあり、ふーん新作なんだというくらいの気持ちでパラパラと頁をめくっていった。

ところが読み始めてみたら止まらなくなってしまった。どれくらいの時間か覚えていないが、一気に読み通してしまった。おかげでいくつかの講義は自主休講となってしまったのだが。古き良き時代の映画会社、撮影現場、大部屋俳優の悲哀、スターのわがままぶり。どれをとってもドラマになる面白さだった。そのころ映画を見ることにもはまっていたので、二重に楽しめたのかもしれない。

映画になった『蒲田行進曲』は封切りされてすぐの頃、土曜深夜のオールナイト興業で見た。たしか二本立てだったなと思い、Wikipediaで確認してみると『この子の七つのお祝いに』というホラー映画だった。ほとんど記憶がないのだが、岩下志麻が母親役ではなかったか。映画版の『蒲田行進曲』があまりにも面白かったので、もう一本の方の記憶が薄れてしまったのだと思う。それくらい深作欣二監督による映画版はよかった。原作にも忠実だったように思う。

つかこうへい作品のなかではマイナーの部類に入るのかもしれないが、「かけおち」という作品も好きである。角川文庫の『いつも心に太陽を』という短編集に入っていたはず。「かけおち’83」というタイトルでNHKがテレビドラマ化し、大竹しのぶが主演していた。駆け落ちしたのにどちらの親からも全く心配されず、どうしようかというコメディなのだが、状況設定の面白さで読ませてしまうストーリーだった。

62歳という享年を目にして少し意外な感じがした。自分よりももっと年長の人というイメージがあったからなのだが、まだまだ活躍できたのではないかと惜しまれる。

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