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2010年7月17日 (土)

天狗

江戸前の落語になくて上方の落語にあるもの。はて、何だろう。と思ったが、「天狗」ではないだろうか。

古典落語をあれこれ思い浮かべても、東京の落語家たちの噺に天狗が出てきた噺は記憶がない。ところが三代目桂米朝師匠の落語をこのところ聴いていたら、「天狗さし」「天狗裁き」と天狗の出てくる噺が立て続けにあった。

「天狗さし」は、烏天狗をつかまえてすき焼きにして出す「天スキ屋」を始めようと思うんやけど、どこで烏天狗をつかまえたらええんやろ、と相談に来る男の話から始まる。相談を受けた方は、そうやなあ、京都の鞍馬山あたりやったらぎょうさんおるのんとちゃうか、と知恵を出す。そりゃええこと聞いたとばかり、男は大きな青竹にトリモチをつけて烏天狗を捕まえに行く。ところが緋の衣を着たお坊さんを烏天狗とまちがえて捕まえ、グルグル巻きにして大阪の町へ帰って来るという噺である。

もう一つの「天狗裁き」は「眠りと夢」のシリーズで詳しく取り上げようかなと考えているのだが、噺の最後に鞍馬山の大天狗が登場する。いわゆる鞍馬天狗と呼ばれる大天狗である。

なぜ、天狗の噺が上方落語にあって、江戸前の落語にないのか。天狗のいると考えられている山は、別に上方に限ったことではない。神として信仰の対象になる「大天狗」に限っても、愛宕山、鞍馬山、比良山、比叡山、英彦山、筑波山、大山、葛城山、高雄山、富士山、白峰山などなどにいたと信じられている。

しかし、「○○天狗」の○○に入る語句は何でしょう?という問題を出せば、年配の方はほとんどが「鞍馬天狗」と答えるのではないかと思う。それくらい天狗といえば鞍馬山、というイメージが強い。このあたりが上方落語に天狗の出てくる噺がある理由ではないかという気がする。天狗に対するなじみの深さが違うということなのではないかと思うのだが。

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