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2009年8月23日 (日)

敗れゆく者たちへ

中京大中京と花巻東の試合は、11対1という大差がついてしまった。菊池雄星投手が万全だったらもっと違った試合展開だったろうと思う。しかし、それも含めて高校野球なのだ。

試合の始まりは、模擬試験が終わり生徒の帰った教室で聞いた。花巻東の守備となり、先発は甲子園初先発の吉田君。1回に1点は失われたが2回、3回のピッチングはなかなか落ち着いていたのではないだろうか。

しかし劇的な場面は4回の裏に訪れる。花巻東の吉田君が中京大中京の磯村君にホームランを打たれる。これで2-0。それでもこのまま抑えてくれれば打線に期待することが出来る。次の打者を一塁ゴロに打ちとったときはそう思っていたが、連打を浴びてしまう。ここで準々決勝で登板した猿川君に交代。だが、前回のようなねばり強さがなく1点を追加され3-0。2アウト満塁で球場にどよめきがあがる。菊池君が猿川君に代わって投げるようだ。車のラジオで聴いていたので、それぞれの選手がどんな表情をしていたのかは分からない。

菊池君は、2球目の140キロも出ていないストレートを中京大中京の河合君に打たれ3塁打。走者3人が帰って6-0。この時点で勝負がついたという気がした。エースが投げて打たれた。最後の切り札だったが、万全な体調ではなかった。

終わってみれば大差の試合だった。しかし、花巻東の選手たちは最後まで全力を尽くしたと思う。7回以降は家に帰ってテレビで見たが、一緒に見ていた息子が「ぶざまな負け方して」と言うので、「それは違うだろ。菊池君が万全でなかったことも含めて高校野球じゃないか」と一喝する。息子は不満だったようだが、言い返さなかった。

中京大中京は万全の態勢で準決勝まで勝ち上がってきた。一方の花巻東はエースの菊池君が故障を抱えながら満身創痍でここまでやってきた。コンディション調整や二番手、三番手の投手をうまく育成できるかどうかも含めて高校野球なのだと思う。それがうまく行かなかったのは、花巻東というチームの限界なのかもしれない。

しかし、大量差で負けたという結果で全てを評価すべきではないと思う。花巻東という岩手の高校の春夏を通じた活躍に、どれだけ多くの人が励まされ、勇気をもらったことか。岩手の高校野球チームでも全国で勝てるということが、どれだけの希望を生み出してきたことか。

それを思うと、息子の「ぶざまな負け方をして」というひと言は、私には聞き捨てがならなかった。お前、それは違うだろ。結果が全てか?プロセスはどうでもいいのか?じゃあ、お前も結果だけ見てそんなふうに言われてもいいのか?実際は先に挙げたように一喝しただけで何も言わなかったが、そう思いながらの一喝であった。言い返さなかったのは何か息子も考えるところがあったのだろう。後で時間をおいて聞いてみたい気がする。

「刀折れ矢尽きて」という言い方がある。今日の花巻東の試合を見ていると、それが自然に浮かんできた。やれることは全てやり尽くし、もう何も残っていない。それでも最後まで試合を投げたりはしなかった。中京大中京も適当なところで手を抜いたりしなかった。得点できる限り得点しようという姿勢は、相手に対する礼儀なのだろう。

敗れたことで君たちの夏は終わってしまった。しかし、多くの人がその姿を覚えているだろうと思う。本当はあと一試合できたらと思いもするが、それでもよくやったと声を掛けたい。記録に残らなくても記憶に残るチームだったと私は思う。

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コメント

学び舎生、こんにちは。
私は感動しましたよ。
力を尽くしたという事実は、彼らの表情を見れば分かります。
あんなに大差がついたのも、相手の中京大中京が必死だったからですよね。
お子さんもいつかは分かると思います。
高校受験で挫折した私の息子は、「この経験が菊池君をもっと大きくするんじゃないの」と話していました。
きっと先生のお子さんもいつかは分かると思いますよ。
熱き思いのほとばしる先生のお子さんなのだから…。


(学び舎主人)
コメントありがとうございます。

今、息子は何事もなかったかのようにyahooプロ野球を見ながら楽天を応援しております。
息子もスポーツをやっておりますので、勝敗にこだわるのは分かるのですが、自分が同じ状況であったらという想像力が不足しているようです。
いろいろ自分で経験して学んでいくしかないのだろうなと思うのですが。

とよ爺先生の息子さんがおっしゃるように、この敗戦が菊池君をもっと大きく成長させることを私も期待しています。試合後の号泣する姿を見ていて、背負っているものが大きかったんだろうなと目頭が熱くなりました。

投稿: とよ爺 | 2009年8月23日 (日) 18時01分

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