絵本のたのしみ
息子がまだ小さかった頃、佐野洋子さんの絵本を買ってきて読み聞かせていた。といっても、気まぐれな父親なので、数冊でやめてしまったのだが。
一番最初に読んだのは『おじさんのかさ』(銀河社)だったと思う。次が同じ銀河社の少し小ぶりな『おぼえていろよおおきな木』で、最後が『100万回生きたねこ』(講談社)だった。
息子は佐野さんの少し斜に構えたユーモアが大好きだった。ドライだけどちょっとしんみりするところも気に入っていたのだろう。私も佐野さんの絵本のそういうところが好きだった。ただ、『100万回生きたねこ』だけは最後の方になると、目頭が熱くなってしまい冷静に読み聞かせることが出来なかった。
他の二冊は今も息子の部屋にあるのだが、『100万回生きたねこ』だけ行方不明である。ときどき読みたくなるときがあるので、探しているのに出てこない。きっとどこかにしまい忘れているのだと思うのだが。
Amazon.comで佐野さんの絵本を確認していたら、後ろからのぞき込んでいた息子が「懐かしい!」と言っていたので、どうやら記憶には残っているらしい。果たしてどういう影響を与えているのか皆目分からないのであるが。
佐野さんの絵本とともにお気に入りだった絵本は、ロシア民話の『おだんごぱん』(福音館書店)である。おだんごぱんの冒険は何度読んでも面白かった。この絵本は従弟が小さいときにもプレゼントし、やはりお気に入りになった絵本だった。いつの時代にも子どもにストレートに届く絵本なのだろう。
絵本を読み聞かせることはなくなってしまったが、この数年で読んだ中で面白かったのは、いせひでこさんの『ルリユールおじさん』(理論社)だ。絵がとても素敵だし、話の内容もいい。何度も何度もときどき繰り返して読みたくなる。読むたびに何かほんわかしたあたたかい塊が胸のうちに生まれるのを感じる。子どもに読ませるより大人が読んだ方がいい絵本なのかもしれない。
大人こそ絵本を読むべきだと言ったのは、ノンフィクション作家の柳田邦男だが、たしかにそうかもしれない。すこし心や体が疲れたなと思うときには、絵本が思っている以上にしみこんでくる。そうそう、忘れるところだったがサン・テグジュペリの『星の王子さま』もはずせない。池澤夏樹の訳した版で読んでいるけれど、読むたびにいつも考え込んでしまうことが多い。だからくり返し読むことになるのだろけれど。
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コメント
『100万回生きたねこ』は長男が小さい頃、よく家内が読み聞かせておりました。
私も読みましたがじ~んとくる話ですね。
自分の人生や家族の人生が、今生だけのものではないことを、願望と希望も持って読んでいたような気がします。
(学び舎主人)
コメントありがとうございます。
佐野洋子さんの絵本が好きな人にとって、やはり一番にあげられる絵本なんだろなと思います。
読み聞かせている途中で声が詰まりそうになってホントに困りました。
投稿: かねごん | 2009年6月23日 (火) 08時21分