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2009年5月17日 (日)

二つの問い

久恒啓一氏の『図で考える人は仕事ができる』(日経ビジネス人文庫、2005年)に、興味深い一節があった。

 さて、就職試験で企業の側から聞かれることは二つしかないと思います。一つは「あなたは今まで何をやってきましたか」という問いであり、もう一つは「あなたは今から何をしたいのですか」という問いです。
 この二つの問いに対して明快に説明できなければ、職業や仕事を獲得することはできないでしょう。「今から一生懸命頑張ります」というだけの人は、企業は欲しくないのです。何かを成し遂げた人でなければ、次に何かを成し遂げられないだろうということがわかっているからです。
 就職に限らず、この問いは普遍的なものです。現役のビジネスパーソンにも同様な問いかけをしてみましょう。あなたは自信を持って答えられますか?

以上の部分である。筆者の久恒氏は、日本航空を経て県立宮城大学の事業構想学部教授になった方だという。現在は多摩大学教授をされているようだ。本のタイトル通り、図解しながら考えをまとめたり「図読」しながら書物を読んでいこうと提唱している。その中で自分のキャリアや人生も図で考えてみよう、と勧めている箇所に出てくる一節である。

この二つの問いは単純明快な問いであるがゆえに、深く考え込まないわけには行かない。明快に説明するには、よくよく自分のこれまでを振り返って考えてみる必要がある。自分は何を成し遂げてきたのだろう。そしてこれから何を成し遂げたいのだろう。

久恒氏は三つの面で考えることを示している。まず何を学んできたかという「学習歴」。どういう経験や体験を積んできたかという「経験歴」。仕事の中身、挑戦したプロジェクト、成果は何かという「仕事歴」。この三つは、今から何をしたいのかでも使える。

「人生の区切りや年齢のとらえ方には、考え方がいくつかありますので、そのなかから自分に合ったものを選びましょう。」という同じ章の別の部分も面白かった。

人生五十年時代の人生訓に惑わされて「もう三〇歳だ」「四〇歳になってしまった」と途端にがっくりきたり、悲観する人がいるがそうではないと久恒氏は言う。人生八十年時代には新しい区切り方と考え方でいいのではないか。そう述べて、いくつかの実例が挙げられている。

たとえば十五年刻みで、10~25歳・学習期、25~40歳・基盤構築期、40~55歳・充実期、55~70歳・飛躍期、70~85歳・貢献期という分け方。四〇歳というのは社会に出て仕事を覚え始めた二五歳から、まだ十五年しか経っていない。そう考えれば「もう四〇歳か」ではなく「まだ四〇歳だ」と見方が変わってくる。私など「充実期」だからウハウハである。なにがウハウハだか分からないが、四〇の坂を越えて後は下る一方ですなどと言うよりもはるかに元気が出る。ことば一つでずいぶん気持ちも変わるものだ。

問題を多面的に考えるように、と生徒にはことあるごとに言っている。自分自身も物事を多面的に見るように訓練する必要がありそうだ。

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