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2009年3月 4日 (水)

弱気の虫

公立高校の入試までもう一週間もない。いや、まだ一週間弱あると言うべきか。

直前も直前、ぎりぎりまで授業をするので生徒の気持ちの揺れはリアルタイムで伝わってくる。つい数日前までは「絶対受かるから」と明るく言っていた生徒が、「だめだったらどうしよう」「入試問題でも実力試験の時と同じようにちゃんと点数が取れますよね?」と不安を口にする。

元気がよいように見えても十五歳の少年少女なのだ。村上春樹の比喩ではないが「壊れやすい卵」みたいな存在だと思う。自分を鼓舞する自分がいる一方で、揺るぎない自信を持てない不安感もある。殻は薄く、たやすく周囲の状況の変化に影響される。そんなふうに揺れる舟の上にいるような、あるいはアップダウンするジェットコースターに乗っているような状態でも前に進もうとしている。

弱気の虫はどこにでも顔を出す。入試の過去の問題を解いていてつまずくものがあると「ああ、だめだ、これじゃ受からない」と口にする生徒。「満点でなければ合格できないところなんてないだろ。(2)ができなくても(1)をまず確保すれば大丈夫だ」「定員からすると○○人受からないけど、その中に入ったらどうしよう」「大丈夫だ。その中に入ると思わなきゃいいんだ。これまでのプレテストで志望者中の順位を見ても真ん中ぐらいだから、合格する人数の方に入る確率の方が高いと思わないか?」こういうやりとりが繰り返される。しかし、最終的に生徒自身が自分の心を奮い立たせる気持ちにならないと、私の叱咤激励も単なる気休めで終わってしまう。言葉がどこまできちんと伝わるのか、いつもそれを見極めながら発信し続けないとこちらも弱気の虫に取りつかれそうになる。

だめだと諦めてしまうから結果がだめになるのであって、諦めなかった人だけが結果を手にすることができる。鉄棒にどれだけぶら下がっていられるか比べているようなものだ。物事は多面的なのであり、どこからどの角度で見るかで同じものが違って見える。だから根拠のない確信でもそれが自分を奮い立たせるものであるならば、うまくいくという確信を持って物事を見た方がいいのだろう。その見方が正しいかどうかではなく、自分をしっかり信じることができるかどうかが大事なのだと思う。

ゆらゆら揺れる心のバランスを少しでもいい方向へ持っていき受験当日を迎えることができるよう、あと数日の期間をポジティブに過ごしてほしいものだと願う。ひりひりするような緊張感と重圧の中で試験に向かおうとしている彼らの姿を見ていると切実にそう思う。

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